経済・企業特集

中国の闇 疑問8 一帯一路の裏の狙いは? ASEANのインフラが奪われる=酒向浩二

ラオス、タイで進む高速鉄道計画 (注)実線は着工、点線は計画 (出所)外務省地図よりみずほ総合研究所作成
ラオス、タイで進む高速鉄道計画 (注)実線は着工、点線は計画 (出所)外務省地図よりみずほ総合研究所作成

 2013年に中国の広域経済圏構想「一帯一路」が打ち出されてから5年が経過し、対象地域に含まれるASEAN(東南アジア諸国連合)でインフラプロジェクトが具体化してきている。中国は、南部の雲南省からASEAN各国を連結する壮大な構想を描く高速鉄道や、大型船舶が接岸できる沿線国の深海港周辺に中国企業の貿易拠点となる「海外経済貿易協力区」を建設することなどに力を入れる。

 ただし、沿線国政府がプロジェクトの着工に踏み切るも、制度・政策面の乖離(かいり)から中国の手法がそのまま導入できなかったり、政権交代によって計画が見直されたりして、停滞しているケースも出ている。

残り2392文字(全文2673文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事