WASHINGTON D.C. 主張通らぬマティス氏 大統領とすきま風=会川晴之
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マティス米国防長官と、トランプ米大統領との間に微妙なすきま風が吹いている。ワシントンでは、マティス氏の早期辞任説が流れ始め、早ければ中間選挙後の交代説まで取りざたされている。
「マティス氏は『マッドドッグ(狂犬)』ではなく、『穏健な犬』だ」。米政治専門メディア・ポリティコは9月上旬、トランプ氏が最近、マティス氏のことをこう呼び皮肉っていると報じた。トランプ氏は海兵隊退役大将のマティス氏の軍隊時代のあだ名である「マッドドッグ」が気に入り、マティス氏を紹介するたびに連呼していた。だが一転して「(従順な)穏健な犬」へと評価が転じたとしたら、両氏の不仲はかなり深刻な状況にあると言える。
マティス氏は就任以来、日本や韓国など、同盟国との関係を重視する伝統的な立場を取るほか、軍事衝突を避けようとする姿勢を示し続けてきた。イランとの核合意からの離脱にも反対するなど、穏健的な立場は、今春に解任されたティラーソン前国務長官と同じ。2人はトランプ政権の中で「良識派」と位置づけられてきた。だが今春、ティラーソン氏に続いて、マティス氏と連携を保ってきたマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題…
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週刊エコノミスト
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