教養・歴史とことんMMT(現代貨幣理論)

「日本はMMTを実践していない」 ポール・シェアード・ハーバード大学ケネディスクール上席研究員

    ポール・シェアード・ハーバード大学ケネディスクール上席研究員
    ポール・シェアード・ハーバード大学ケネディスクール上席研究員

     米国や日本で毎年巨額の財政赤字を垂れ流し、日銀が異次元の金融緩和で、事実上の財政ファイナンスをしている状態から、日本は「現代貨幣理論(MMT)」を実践していると指摘される。しかし、私は違うと言いたい。

     MMTの基本的洞察は貨幣の創出者たる統合政府には、資金調達の制約がない。金財分離の制度的枠組みが、そういう制約を恣意(しい)的に作り上げているだけだ。本来、政府には資金の枯渇があり得ない。真の制約は、実体経済の在り方にある。

     確かに2013年に黒田東彦総裁率いる日銀が大掛かりな量的緩和に踏み切ったのは、MMTをほうふつとさせた。なぜならば、量的緩和は統合政府が返済期限のある国債を返済期限のない中央銀行の負債に変形させるからだ。金融政策と財政政策の境目を溶かす策だ。

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