新型コロナショックによってNYダウが示す「底値」と「アフターコロナ相場」=桂畑誠治(第一生命経済研究所主任エコノミスト)
ダウ工業株30種平均は新型コロナウイルスのパンデミック、米国内での感染者数の増加による先行き不安の強まりを背景に、3月中旬にかけて暴落した。米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な金融緩和が継続されるが、新型コロナの感染状況に改善がみられるまでは、金融政策で景気を押し上げ株式市場を支えることは難しいだろう。
目先、新型コロナの感染者数の拡大ペースが加速するとみられ、先行き不透明感を強めよう。また、外出・移動を控える動きやイベント自粛で、米経済は3月からマイナス成長に陥っているとみられる。ダウ平均は4~6月期に1万6000ドル程度まで下落する可能性がある。
感染拡大防止策によって、5月ごろに新型コロナの感染ペースがピークアウトすれば、年後半には金融緩和や財政拡大、世界的なペントアップディマンド(繰り越し需要)による成長加速期待などを受け、2万7000ドルに向けて徐々に上昇しよう。ただし、新型コロナが夏場も感染拡大を続ければ、本格的な景気後退に陥って信用不安が高まり、株価は下値めどを大きく割り込む恐れがある。
■桂畑誠治(第一生命経済研究所主任エコノミスト)
(本誌〈2020年米国株予測 4~6月に1万6000ドルの安値へ=桂畑誠治〉)