マーケット・金融

新型コロナウイルスを甘く見ている人たちにもこの「事実」だけは伝えたい=立沢賢一(元HSBC証券会社社長、京都橘大学客員教授、実業家)

    新型コロナウイルスに対する日本人の「意識の低さ」

    ちょっと前の話ですが、以下のニュースが話題になりました。

    「湘南の海に来ないで」 先週末には渋滞、知事が危機感(朝日新聞)

    <「神奈川には、湘南の海には、来ないでください。観光地には行かないでください。我慢してください」。神奈川県の黒岩祐治知事は21日の記者会見で、先週末に県内の海沿いに多くのドライブ客が訪れ、渋滞が起きたことに強い危機感を表し、大型連休に向けて湘南の海辺への外出を自粛するよう強く呼びかけた。>

    <知事は県民に対し「外出自粛要請に応えてくれた。心から感謝」と表明。一方で、「先週末に起きた現象は大変残念」として渋滞への懸念を示し、「気の緩みがあると、元の木阿弥(もくあみ)になる」と強調。「普段ならゴールデンウィーク間近で、どんどん来てとお願いするが今はその逆」と訴えた。>

    日本人の新型コロナウイルスに対する意識の低さは海外メディアでも多く取り上げられています。

    平和ボケし、頭の中がお花畑状態になっている日本人は自分が生死の境を彷徨うまで事の重大さがわからないのでしょうか。

    新型コロナウイルスに関して私が危惧している点の中で、少なくとも皆さんには「無症状感染者」の恐ろしさについてお伝えしておきたいと思っています。

    「無症状感染者」が第二波を招く?

    4月8日に武漢市の都市封鎖が解除されました。

    正式な数字は中々掴めないのですが、一説によりますと、無症状感染者は、現在武漢市内に1~2万人存在していると言われています。これは何を意味するかと申しますと、彼らが第二波の原因になり得るということです。

    1918~20年に世界中で大流行した「スペイン風邪」では一説によるとおよそ1億人が死亡したとも伝えられています。その死者数は第一波よりも第二波以降の方が強烈で、また20~30 代の若い死者も多数出ました。今回の新型コロナウイルスが第一波で終わる可能性の方がむしろ低いと思います。

    4月6日現在、武漢では658名の無症状感染者が医療観察を受けています。

    中国共産党はこれまで武漢市感染者50,008 名、死者数2571名と公表していますが、欧米の研究者は2月末までに武漢での感染者は約127,000名、中国全土のそれは約230,000名まで及んでいると推計しています。

    問題は4月8日以降、武漢から1日で約66,000人の市民が武漢から出て行ったことです。

    その中のどれたけの人が無症状感染者なのかは全く分かりません。つまり、武漢から全国に多くの無症状感染者が散った可能性があるのです。実際に、北京市は第二波を恐れて、武漢から1日に1000名以上は受け入れないと規制しています。

    3月10日、習近平は新型コロナウイルスの感染終息宣言をしました。

    これは何を意味するかですが、中国は自国経済を優先し見切り発車したのでこれから中国人民は 「with コロナ」が常態となり、一定数の人間が感染し死亡していくのは止むを得ないという態勢に入ったという事です。

    ある研究者によれば、新型コロナウイルス感染者の50%は無症状、30%が軽症、20%が発症すると言われています。

    もし日本がこのまま緩いウイルス封じ込め政策を維持し、日本国民が冒頭の記事のように危機意識を持たずに無症状感染者が乗数的に増えたと仮定します。そして感染者が全人口の1%まで達したとしますと125万人が感染することになります。そして死亡率2%と想定すると、死亡者は25,000人になる計算です。あくまでも机上の計算ですが、そうならないという保障はないです。

    米国ではインフルエンザが原因で毎年約1万人が死亡しており、2017年には約6万人もの死亡者が出ました。それなのに何故人々はインフルエンザよりも新型コロナウイルスを恐れているのでしょうか? 

    それはインフルエンザにはワクチンや治療薬がありますが、新型コロナウイルスには今の所ないからです。またワクチンも治療薬もないだけでなく、突然変異が早いとも言われていますし、体のあらゆる器官に入って悪さをするという特徴も認知されています。

    日本政府もメディアも新型コロナウイルスの真の恐ろしさを国民に伝え切れていません。

    私たちは自分たちで自らの身を守らなければならないのですが、感染者になってしまったら元も子もないのです。一人一人が感染者にならないように全国民が一丸となって努力することが今最も重要なのです。本来ならそれを日本政府が全国民に徹底させなければならないのです。然し乍ら、歯痒いですが、「要請」という強制力のない対策しか講じられていないのが現状です。いずれにせよ失敗すれば大きなしっぺ返しが来ることになるのは間違い無いです。

    立沢賢一(たつざわ・けんいち)

    元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資家サロンで優秀な投資家を多数育成している。

    投資家サロン https://www.kenichi-tatsuzawa.com/neic

    インタビュー

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月8日号

    もうかるEV(電気自動車)、電池、モーター14 「電動化」が業績・株価を左右 「次の勝者」探しも活発化 ■神崎 修一/桑子 かつ代/斎藤 信世16 巨人の焦り トヨタから「自動車」が消える日 ■井上 久男18 自動車部品 日本電産が台風の目に ■遠藤 功治20 図解 EV用電池「国盗り物語」 ■編集 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事