国際・政治

「金正恩死亡説」に「妹・金与正への権力継承」……北朝鮮独裁体制「崩壊」の可能性はあるのか

南北首脳会談に臨む北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)と金与正党第1副部長
南北首脳会談に臨む北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)と金与正党第1副部長

「朝鮮半島動乱」の悪夢は起こるのか?

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の動静が、注目されている。

心血管手術を受けたという健康異常説から、ひいては「死亡説」まで流れている。

4月23日、韓国の国家安全保障会議は「北朝鮮の権力層に特異な動きはない」と発表した。

しかし、金委員長については11日の党政治局会議に出席しながらも、12日の最高人民会議以降の公開活動が報道されていない。これも疑惑に拍車を掛ける。

日本メディアからは、ボディーガードら側近に新型コロナウイルスの感染者が出て、東部・元山へ向かって滞在しているとの報道もある。

健康異常説が出てくるのも、元々の体形はいざ知らず、最高人民会議前日に開かれた政治局会議で、金委員長の妹、金与正・労働党第1副部長が「政治局員候補」に復帰したためだ。

与正氏は3月に、米国のトランプ大統領が金委員長へ書簡を送ったことを談話形式で発表した。

また、韓国にも挑発的な内容の談話を発表するなど「兄・金委員長の代役を任されているのではないか」と、世界の北朝鮮ウオッチャーの中で再び注目を集めていた人だからだ。

これまで北朝鮮は「新型コロナ感染者は一人もいない」と言い続けている。

最高人民会議では新型コロナ対策も議題の一つとなり、保健分野の予算を前年比で増額すると決めた。新型コロナには、さらに強い対応を取りそうだ。

北朝鮮メディアの報道や会議発表を見ると、最高指導者の決定を上意下達で伝えるという報道ぶりから、最近は「討議・研究」という言葉を使うのが目につく。

最高指導者が一度決めた案も、政治局会議などで他の幹部に討議・研究させるなどして、独善的ではない指導者像を打ち出そうとしているように見える。

これが金委員長への権力集中体制から、徐々に集団指導制に移行していることを意味しているのか。

今後の金委員長の動静から独裁的な体制がわずかながら変化する可能性が出てきた。 (浅川新介)

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