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「みんないらない」アベノマスクですら配布されない!在日外国人労働者の知られざるマスク事情
外国人労働者には「アベノマスク」が届いていなかった!
「私もマスクほしいんです。でも、どこにも売ってない」
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たどたどしい日本語で、こう話すのは今年1月、カンボジアから日本へ働きに来た30代の女性だ。現在は神奈川県内で働く。
仕事はクリーニングのアイロンかけで、多い時は1日1500枚のワイシャツをこなす。
職場と寮を往復する日々の合間に、スーパーなどでマスクを見かけることもある。だが、1箱3000円以上。月給が約10万円で、半分は母国に仕送りする身には手が出せない。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相は4月1日、布製マスク2枚の全世帯配布を表明した。
首相は配布を「急激に拡大する需要への対応に極めて有効」と豪語。菅義偉官房長官は同3日の記者会見で「国籍によって対象を限定することは考えていない」と述べた。
インターネット上で「アベノマスク」とやゆもされた布マスクは、同17日から日本郵政が把握している日本国内の全住所へ配達されるようになった。
だが、前出の女性の手元には同月下旬になっても届いていないという。
「会社からもマスクはもらっていません。本当に怖いんです。寮に一緒に住んでいる他の5人も同じです」。
ただ、届いても1世帯2枚。寮で共同生活をする女性ら計6人は1世帯とカウントされるため、全員にマスクは行き届かない。
厚生労働省のマスク等物資対策班は不足分については検討中として、こう答える。
「5月中旬までに今の2枚配布が終わります。その後にホームページで追加の申請ができるようにする予定で、それまで待ってほしい」
感染者急増を受け国内では、限られた医療資源の分配も議論になりつつある。
一方、昨年4月から出入国在留管理庁を設置し、上限34万5000人の外国人労働者の受け入れを始めた日本政府。
危機にあっても外国人労働者が「トリアージ(治療の優先順位付け)」の対象になってよいわけではない。 (田口嘉孝)