教養・歴史コレキヨ

小説 高橋是清 第94話 第3回公債発行=板谷敏彦

    (前号まで)

     日本軍は奉天で露軍と激突。露軍は撤退するものの、遼陽の会戦に続き、包囲殲滅(せんめつ)を果たせなかった。戦費は尽き、逼迫(ひっぱく)する国内事情の中、バルチック艦隊が日本に接近する。

     明治38(1905)年1月22日の「血の日曜日事件」を受けて、革命騒動によってロシアの戦争遂行能力は低下しているとロンドン市場はみていた。日本公債が買われて利回りは低下し、反対にロシア公債は売られて利回りが上昇しつつあった。

     これを見たロンドンの金融業者たちは起債担当者の是清がまだ日本に帰国中であるにもかかわらず、次の日本の公債発行に向けて活発に動き始めた。

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