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日銀初の女性理事に就任した清水氏の「評判」と「実力」【サンデー毎日】
日本銀行に初めての女性理事が誕生した。
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5月11日に就任したのは、清水季子(ときこ)名古屋支店長。
東大工学部を卒業した1987年、日銀に入行した女性総合職のはしりだ。
「女性かつ理系という二つの意味で入行当時から注目された存在でした」(日銀関係者)
2014年に国際局審議役、16年に欧州統括役としてロンドンに駐在し、18年に現職。清水氏の高松支店長時代(10〜12年)に親交があった大手銀行の幹部が振り返る。
「一見、厳しそうな感じを受ける方ですが、実際に話してみると腰が低く、地元財界の受けは良かったですね」
清水氏は5月10日に退任した前田栄治氏の後任。清水氏は引き続き名古屋支店長を務め、前田氏が担ってきた金融政策は内田真一理事(1986年入行)が担当する。
前出の日銀関係者による人物評はこうだ。
「内田さんは雨宮正佳副総裁に次ぐ、これからの日銀を担うエース。企画局長時代は黒田東彦総裁の下、異次元緩和やマイナス金利の導入、長期金利を0%程度に誘導する長短金利操作などを推進してきました」(日銀関係者)
危機的な状況下にある日本経済を金融面から下支えするキーパーソンと言える。
メガバンク幹部は両氏の人事をこう見る。
「初の女性理事は日銀が人事にダイバーシティー(多様性)を重視していることの表れでしょう。内田氏の企画担当シフトも、戦略性に富んだ人事と見受けられます」
その一端が垣間見れた幹部人事が1月末にあった。日銀きっての「中国通」として知られる福本智之氏を、欧米畑の長い幹部が就くのが慣例の国際局長に抜擢したのだ。
「中国が進める『デジタル人民元』への対応を意識した人事だろう」(日銀関係者)
という。
メガバンクでも、三菱UFJフィナンシャル・グループ社長に異例の理系出身者(東大工学部卒)の亀澤宏規氏が就任。新しい時代の到来を予感させる人事が続く。
(森岡英樹)