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「甲子園中止決定」で代替大会開催の可能性はあるのか【サンデー毎日】

選手らに夏の甲子園の中止が決まったことを伝える盛岡大付の関口清治監督(左)=盛岡市下厨川の盛岡大付グラウンドで2020年5月20日午後6時47分、安藤いく子撮影
選手らに夏の甲子園の中止が決まったことを伝える盛岡大付の関口清治監督(左)=盛岡市下厨川の盛岡大付グラウンドで2020年5月20日午後6時47分、安藤いく子撮影

高校3年の現役球児にとって最後となる夢も、新型コロナウイルスに打ち砕かれてしまった。

日本高校野球連盟は5月20日、第102回全国高校野球選手権大会の運営委員会と理事会をオンラインで開き、甲子園球場で8月10日開幕予定だった選手権と、その出場権をかけた地方大会の中止を決めた。

夏の選手権の中止は3度目で戦後初。今年は春のセンバツも中止されている。春夏連続の中止は両大会が戦争で中断した1942〜45年を除いて初めてとなる。

記者会見で日本高野連の八田英二会長は苦渋の決断に「断腸の思い。痛恨の極み」と声を絞り出した。

全国で約3800校が参加し、多くのファンを感動させる大イベント。郷土の期待を背負って晴れ舞台に臨み、自分たちが打ち込んだ野球の可能性を試したいという球児の夢は、見えない敵に敗れてしまった。

日本高野連は無観客や開会式取りやめなど、感染リスクを排除して開催する方策を検討してきた。だが、選手らの長時間移動や集団宿泊といった感染リスクを完全に排除できないとの結論に至った。

地方大会を運営する役員や審判員、医療スタッフなどの確保が難しいことも中止の理由となった。

だが、最大のポイントになったのはコロナ禍の収束に見通しが立たず、感染状況も地域によってムラがあることだ。

休校や部活動停止の期間に差が生じれば、日程的に無理が出て故障につながる可能性もある。

自分たちの努力や意志の強さだけではコントロールできないことだけに、選手たちの悔しさは大きい。そんな気持ちに区切りをつけるため、各地方高野連では独自に代替大会の開催を目指す動きが出ている。

八田会長は「自主的な判断に任せる。財政的な支援をさせていただく」。

日本プロ野球選手会も開催支援のために寄付を検討しているという。ただ、感染リスクが消えるわけではない。これからも模索が続きそうだ。

(水木 圭)

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