国際・政治

「子供の名前はX ÆA-12 Musk」米テスラCEOイーロン・マスク氏がカリフォルニア州当局と「大げんか」【サンデー毎日】

スペースXのイーロン・マスクCEO(左)と記者会見する前沢友作社長=米ロサンゼルス近郊で2018年9月17日、ルーベン・モナストラ撮影
スペースXのイーロン・マスクCEO(左)と記者会見する前沢友作社長=米ロサンゼルス近郊で2018年9月17日、ルーベン・モナストラ撮影

米電気自動車(EV)メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(48)がまた物議をかもしている。

パートナーでカナダ人歌手のグライムス(32)が5月4日、出産した男児の名前を「X ÆA-12 Musk」とツイートしたのだ。

CNNは「赤ちゃんの名前はカリフォルニア州では登録できないかも」という題の記事をウェブサイトに載せ、疑問視しているが、マスク氏は同州の住民だ。

マスク氏は新型コロナウイルスについて、

「普通の風邪よりひどい症状にならない」

「コロナウイルス・パニックはバカだ」

と発信するなど懐疑的で、ロックダウン(都市封鎖)には一貫して反対してきた。

カリフォルニア州は3月以来、在宅命令を出して工場の操業を禁止。5月9日には本、衣料品、自動車などを売る店や一部の工場の再開を許可したが、自動車工場は対象外だった。

マスク氏は再開対象に含まれなかったことに不満を爆発させる。

同日中に「テスラは本社と新商品機能をテキサス/ネバダに即刻移転する」とツイートし、工場があるアラメダ郡を提訴。2日後には州や郡の同意を得ないまま操業を再開し、「私はみんなと一緒に(生産)ラインにいる。逮捕するなら私だけにしてほしい」とツイート。

ところが、その後マスク氏は完全勝利。同郡公衆衛生局が従業員の安全や衛生状態などを検査した上で、18日の再開を正式に認めたのだ。

「本社移転」の脅しが州当局に十分に効いたのだろう。

かつてトヨタ自動車と日産自動車の北米本社は同州にあったが、それぞれテキサス州とテネシー州に移転した。

移転先が提示した法人税優遇や賃料などの条件が物価高のカリフォルニア州より有利だと判断したためだ。

もしテスラが移転すれば、同州の産業政策に批判が高まることは必至だった。

外出規制の結果、米国の大気汚染は改善し、EVに注目が集まっている。

テスラは快進撃を続けるのか。マスク氏の言動と共に、話題の的になり続けるだろう。

(土方細秩子)

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