「医療」「自動化」「オフィス関連」AIが予測した「コロナで儲かる企業」の正体=ゼノデータ・ラボ/編集部
「アフターコロナ」に、もうけが増える企業・減る企業
緊急事態宣言の解除が進むなか、新型コロナ終息後、いわゆる「アフターコロナ」の企業業績はどうなるのか。
ゼノデータ・ラボの分析では、医療やファクトリーオートメーション(工場生産の自動化、FA)関連で需要拡大が期待できる(表1)。1位のホギメディカルはマスクや手術用衣類といった不織布(ふしょくふ)製品を提供するほか、医療ロボット「エマロ」の代理販売も手掛けている。2位のメドピアもオンライン診療のプラットフォームサービスを展開しており、今後、需要が高まると見られている。
製造業では、今回のような不測の事態でも生産ラインを確保できるように、FAへの対応が求められる。3位の菱電商事は三菱電機製のFA関連製品を幅広くそろえており、さまざまな業態の生産現場に対応可能なことがスコア上昇に影響している。
4位にはキャッシュレス化の需要増から凸版印刷がランクインした。同社は地方のキャッシュレス決済支援プラットフォーム「地域ペイ」を2019年5月から提供している。
テレワークの普及で懸念されるのがサイバー攻撃による被害。攻撃による被害に備える「サイバー保険」を扱っている8位のSOMPOホールディングス(HD)、13位の東京海上HDなどにとってはシェア拡大の好機になる。
働き方の多様化や、人口が集中する都市部での暮らしに対する不安から、地方への移住を検討する人も増えている。7位のSBS HD、10位のヤマトHD、15位のセイノーHDは引っ越しや物流関連での需要が高まりそうだ。
一方、減益可能性のランキングを見ると、テレワーク拡大のあおりを受けて、賃貸オフィス関連の企業が上位に並んだ(表2)。ハリマビステムはビルのメンテナンスや管理を主事業としており、オフィス需要減少の逆風を受ける。オフィス用品・設備・機器についても需要が落ち込むと分析されており、キングジムや日本空調サービスの減益可能性が高い。
自宅で食事をする機会が増えるテレワークは、外食の需要減少につながる。3位のユナイテッド&コレクティブは居酒屋需要減少の影響が特に大きい。今後は家庭内需要の増加による肉・鮮魚・野菜の価格上昇も加わり、1年以上の長期にわたって影響を受けると見られている。
(ゼノデータ・ラボ/編集部)
(本誌初出 医療・工場自動化に特需 オフィス関連は苦戦=ゼノデータ・ラボ/編集部 2020/6/9)