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人気沸騰?!平壌を案内する謎の「美女ユーチューバー」の正体【サンデー毎日】
北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が政治の実権を担った2012年以降、北朝鮮での最大の変化はメディアだ。
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労働党には宣伝扇動部があり、その下に党機関紙『労働新聞』や朝鮮中央通信といった官製メディアが自国を宣伝している。
最近も新たな変化が見えた。なんと、「ユーチューバー」が出現したのだ。
「EchoDPRK」というユーチューブのチャンネルで、「ユンア」という若い女性が平壌の様子を紹介し始めたのだ。
チャンネル自体は1年前に開設され、登録者数は約1万だ。
ユンアさんの動画は昨年末から「平壌ツアーシリーズ」と銘打ち、流ちょうな英語を駆使して観光地や商業施設などを紹介している。
時には「新型コロナウイルス感染の終息を願って」と歌をも披露。
また農村部に行っては手作業による田植えも体当たりでやる。
映像の背景は確かに北朝鮮だが、日本のありふれたユーチューバーの映像とそれほど変わらない。
ただ、そこは官製だ、と思える映像もある。
今年4月ごろ、物不足が広がり平壌で買い占めが発生したと外国メディアが報道した。すると、ユンアさんは百貨店を訪れ、「外国メディアが爆買いを報道しているが……」と買い物客に質問して否定させている。
また、「新型コロナウイルスの感染者は1人もいない」と豪語する北朝鮮だが、「4月20日に休校措置を解除する」と北朝鮮メディアが報道する。
すると、その日に大学を訪れ、久しぶりに通学してきた学生に話を聞いたりしている。
「メディアは党の舌」と言うことがあるが、ユンアさんは立派に「舌」の役割を果たそうとしている。
金委員長は現地指導でも、外国からの報道を意識した映像を公開することがある。
「Echo DPRK」も官製メディアが関与しているが、あの手この手で手段を選ばない宣伝扇動は、まさに北朝鮮らしい。
(浅川新介)