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スマホの音源から作る「オリジナルアナログレコード」が大人気のワケ【サンデー毎日】

HMV渋谷店内=東京都渋谷区で2015年10月23日午後3時53分、塩田彩撮影
HMV渋谷店内=東京都渋谷区で2015年10月23日午後3時53分、塩田彩撮影

季刊ムック『大人の科学マガジン』(学研プラス)の付録が人気だ。

3月26日発売の最新号に付けた「トイ・レコードメーカー」が、昨年12月に予約を受け付けるとすぐに完売し、増産分も予約が多く入っているという。

付録は音を再生するための溝を刻む「カッティングマシン」とレコードプレーヤーを兼ねる装置、それに記録用レコード盤などからなる。

自分が用意した音源を再生するオリジナルのレコードを作って楽しむ。

音源はスマートフォンか3・5㍉径のプラグで接続できるコンパクトディスクプレーヤーなどの外部機器を使う。

同誌はこれまで、録音と再生ができる蓄音機を付録にしたことがあり、好評だった。

ただ、今までの付録は、音源を肉声とするものが多く「楽曲を録音したい」という声が多かった。

同誌編集部は要望をかなえようとしてきたが、「性能とコストのバランスがハードルだった」という。

そんな折、英国在住のサウンドアーティストのYURI SUZUKIさんが、カッティングマシンを作品として製作したことを知った。

SUZUKIさんに連絡して、昨年の春、試作品を作るために動き出した。

開発は一筋縄ではいかなかった。再生用の針は汎用品だが、カッティング用の針はオリジナル。材質と形状を出荷ギリギリまで模索したという。

レコード盤の素材も、カッティングできる柔らかさでありながら、音質と耐久性を確保する硬さが必要だという矛盾した条件を満たすことに苦労した。

購入者には往年のレコードファンのほか、ディスクジョッキーやミュージシャンも多いという。

懐かしい曲をオリジナルレコードにして聴く。ありそうでなかった趣味として定着するかもしれない。

(小出和明)

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