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週刊エコノミスト Online 勝つための情報リテラシー

「小池百合子東京都知事が選挙のために国を売ったのではないか」という疑問について=立沢賢一(元HSBC証券会社社長、京都橘大学客員教授、実業家)

小池百合子東京都知事の支援団体が開いたセミナーで講演した自民党の二階俊博幹事長(右)から資料を手渡される小池知事(左)=東京都新宿区で2019年(令和元年)8月20日、丸山博撮影
小池百合子東京都知事の支援団体が開いたセミナーで講演した自民党の二階俊博幹事長(右)から資料を手渡される小池知事(左)=東京都新宿区で2019年(令和元年)8月20日、丸山博撮影

なぜ小池知事は貴重な防護服を中国にプレゼントしたのか?

私は陰謀論者でも特定の政治的思想に傾注している人間ではありません。ただ、情報リテラシーを磨くことで、多くのメディアでは報道されない分析が個人でも出来ることを読者の皆さんと共有したいと思っているだけです。

普段は中々することはないかも知れませんが、単に表に出ているニュースの数々をパズルのように繋げて解釈するだけで、意外にも一つ一つのニュースでは見えなかった事象を感知できるようになるのです。以下の分析を通して、読者の方々がニュースの裏読みをする習慣を身に付けるキッカケとなれば幸甚です。

2016年の都知事選は、自民党などが擁立した候補を小池氏が抑えて勝利しました。そして翌年の都議選では小池氏が率いた「都民ファーストの会」が圧勝し、自民は歴史的大敗を喫し、そこを出発点として小池氏と自民都連との対立は始まったのです。

ところが、今回の都知事選で、自民都連は昨年6月から小池氏の対抗馬擁立を模索していましたが、自民党本部の二階幹事長は素早く小池知事支持を表明しました。結局、自民党公認とはならなかったものの、自民党の実質的支援という形式で小池知事は7月の都知事選に立候補しました。

ところで、話は変わりますが、新型コロナショックが起きて間も無く、まだ日本ではマスクや防護服の必要性が希薄だった頃に、親中派二階幹事長の要請を受けて、小池知事は備蓄している防護服220 万着の内、33万6000着を中国に送りました。報道では10万着とか14万着とも言われていましたが、どうやら33万6000着のようです。

時系列で見ますと、以下の通りです。

1/28、武漢から日本人を国内に引き上げる際の往路便に、日本から中国への支援として、2万1000着の防護服を東京都の判断で送付。

2/7、自民党、二階幹事長からの要請で、10万着を中国が用意したチャーター機で送付。

2/13、武漢から日本人を国内に引き上げる際の往路便に、外務省からの要請で5000着送付。

2/14、北京の清華大学からの依頼で1万着送付。

2/18、3回に分けて北京に20万着送付。

これらの合計が33万6000着という事です。

新型コロナ感染対応でドタバタしている最中に、都民の税金で備蓄された防護服を、尖閣諸島への連続45日間に及ぶ領海侵犯を繰り返す中国に贈呈したのです。この事実をマスメデイアで大々的に報道していたら都民は小池知事に対してどのように感じていたでしょうか?

小池都知事の目算

4月14日に、大阪市の松井一郎市長は、大阪府内の医療現場で防護服が不足していると訴え、「使用していない雨合羽があれば、ぜひ大阪府・市に連絡してほしい」と提供を呼びかけるほど、大阪の医療現場の物資不足は切羽詰まっていました。

大阪在住のある医師からは、病院は1週間にマスクを2枚しか医療関係者に支給せず、彼らはマスクに自分の名前を書いて洗濯して再利用しているという事実を聴きました。医局では皆、ネットサーフィンしながら、どのように洗濯すれば最も効果的に菌を取り除けるかを真剣に調べていたそうです。

日本国内でそれ程の厳しい状況に陥る可能性を未然に予見できたにも拘らず、上述しました様に、2月の段階で、小池知事は何故か二階幹事長の要請に従って大変貴重な防護服を33万6000着も中国に送ったのです。

今回、二階幹事長が都連の反対を押し切って、小池知事を都知事選でサポートしているという事実から分析しますと、小池知事が年初から都知事選を視野に入れて二階幹事長の要請に従ったのではないかと勘繰らざるを得ません。

もしそうであれば、小池知事が後々メディアで叩かれるリスクを取ってまで 「 防護服を中国に贈呈 」した意味が明瞭になります。

彼女には、都知事選にあたって、二階幹事長の力でメディアを抑え切れるという目算があったのではないでしょうか。

ついでに最近話題沸騰中でした小池知事の学歴詐称疑惑も含めて、都知事選中の間メディアを抑えてもらえれば、知名度抜群の小池氏にとって都知事選は楽勝となる筈だからです。

以上は推理であって、真実がどうなのかはご本人でなければ分かりません。然し乍ら、数々の事実を結び付けて導き出した推理には単なる陰謀論と片付けるには惜しい部分が存在すると私は思っています。

読者の方々の情報リテラシー向上の為に、是非、本稿をサンプルの一つとして参考にして頂きたいです。

立沢賢一(たつざわ・けんいち)

元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資家サロンで優秀な投資家を多数育成している。

Youtube https://www.youtube.com/channel/UCgflC7hIggSJnEZH4FMTxGQ/

投資家サロン https://www.kenichi-tatsuzawa.com/neic

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