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「韓国の努力を日本が邪魔した」韓国国内で出回った怪文書の正体【サンデー毎日】
米トランプ政権で国家安全保障問題担当補佐官を務めたジョン・ボルトン氏の回顧録は、韓国でも大きく取り上げられた。
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中でも6月23日の発売日前に話題になったのは韓国国内で出回った、回顧録から朝鮮半島の関連部分を抜粋したA4用紙16枚にわたるペーパーの存在だ。
「6月20日ごろには、中央省庁に出入りする記者の間で出回っていた」(韓国全国紙記者)。
作成者ははっきりしない。
だが、韓国政府の発表資料と同様のレイアウトのため、韓国政府がまとめたものと見られている。
内容は大きく分けて三つだ。
米朝首脳会談などの「朝鮮半島平和プロセス」、在韓米軍の駐留費などをめぐる「防衛費分担金」、そして「日韓関係」だ。
このような整理の仕方や回顧録からの抜粋部分を見ると、「文在寅政権が米朝関係の改善を働き掛け、南北間の経済協力事業を推進させたいのだ」という韓国の現政権の意志が垣間見える。
一方、ペーパーには日本の安倍晋三首相や当時の谷内正太郎・国家安全保障局長と、文政権の対北朝鮮政策に否定的だったボルトン氏の対話も抜粋されている。
抜粋内容のコントラストを見ると、韓国側が「朝鮮半島和平のための韓国の努力を日本が邪魔する」と主張したいのかとも思えてくる。
そして「日韓関係」でも最大の懸案である元徴用工問題について、鄭義溶(チヨン・ウイ・ヨン)大統領府国家安保室長が「韓国は日韓基本条約を順守しているが、大法院(最高裁判所)の判決を履行しなければならない」とボルトン氏に話した部分を、わざわざ回顧録から抜粋している。
日本から見れば韓国側の〝主張性〞を持たせたペーパーとしか思えない内容だ。
文大統領は今年4月の総選挙で圧勝した。
主要公約には南北問題の緩和・解決を目指すと掲げた。
その路線に否定的なボルトン氏の回顧録を逆に利用し、韓国側は自らの政策推進の〝燃料〞としたかったのだろう。
(浅川新介)