経済・企業

「炎上狙いは絶対NG」noteプロデューサーが普通の会社員におすすめするSNS「3つのコツ」

「そろそろTwitterくらいやらないとヤバそう」

「いい加減、会社のSNS活用をテコ入れしたい」

デジタル後進国と呼ばれる日本でも2020年に入ってようやくこういった声が聞かれるようになりました。

特にコロナによる自粛要請とリモートワークへの対応によって、「SNS・ネット対応」は企業の浮沈と経営の存続を決定づける要因となりつつあります。

しかし、実名と会社の肩書きをさらしてSNSに登場するのにまだ抵抗があるという人もおそらくは多いでしょう

「普通の人は下手にインフルエンサーの手法を真似しないほうがいい」と説くのは、note株式会社 noteプロデューサーとして、またブロガーとしても有名な徳力基彦さん。

SNSに関する著書も多数お持ちの徳力さんですが、今回は新刊『 「普通」の人のためのSNSの教科書』(朝日新聞出版)から「普通の人むけのブログの書き方のコツ」を抜粋しておとどけします。

「炎上したくないけど仕事に活かしたい」普通の人にオススメの「徳力メソッド」とは?

ぼくのブログの書き方は「徳力メソッド」と呼ばれています。

名付け親であるビデオブロガーのジェット☆ダイスケさんによると、ぼくのブログには次のような特徴があるそうです。

「1.タイトルで言いたい事は語り尽くしてしまう

 2.本文は単に思い付いたことをつらつらと

 3.締まらない締め方、何もまとめずに終わる」

( gajetdaisuke.com より「徳力メソッドというブログの書き方」 https://gajetdaisuke.com/archives/06507_140109.php

要するにからかわれているのですが(笑)、これを聞いたとき、的を射ているな、おっしゃる通りだなと思いました。

結局のところ、組織の看板を背負ったビジネスパーソンはこのように結論をあいまいにしてしか書けないのです。

ビジネスについて何か書こうとすると、自分はそのつもりがなくても他社批判と受け取られる可能性があります。

また、ビジネスに正解はないので、一概に正しい・間違っているといえない場合も少なくありません。

知名度のあるインフルエンサーやバズをねらうTwitter 芸人であれば、「こんなのはダメだ!」とバッサリ斬って捨てたほうが「あの人はかっこいい」と思われ、フォロワーが増えるでしょう。

しかし、「普通」のビジネスパーソンがこれをやってしまうと、確実に敵を増やしてしまいます。

仕事に役立てばいいと割り切り、「コミュニケーション」を心がけることが大事

ぼくらは仕事に役立てるのが目的なのですから、インフルエンサーの真似はしないようにしてください。

彼らのなかにはSNS発信のノウハウ本で、自分の成功体験をもとにバズるための近道を教えてくれている人がいます。

しかし、いわゆるバズをねらう発信方法は、ビジネスパーソンには危険がありすぎます。

徳力メソッドでは、インプットした情報を紹介し、それに対して自分はこう思う、なぜならこうだから、でもそうじゃない考え方もできますよね、と書くのが基本型になります。

組織人の発信はこの程度でいいのです。

過激なことや鋭い意見を言おうとする必要はありません。

そのほうが「炎上」しにくいですし、読んだ人が情報を補足してくれたり、背景を教えてくれたりして、結果的にコミュニケーションが活性化します。

ジェット☆ダイスケさんは、先の徳力メソッドの説明に続けて、こんなこともおっしゃっています。

「以前、ある学生起業家さんが『ネットでは、知らないフリをしていると、求めていたこと以上の情報が勝手に入って来るんですよ』と仰ってました。

●おっさんは本質的に無駄な議論と説教するのが大好き。

●ヲタやギークは専門分野の知識をひけらかしたがる。

●コミュニティには一定割合で揚げ足取りの好きな連中がいる。

という事を上手く利用してやれば良いのです。徳力メソッドでブログを書くと、上記のような方々が大勢寄って来て、はてブ(著者注:はてなブログのこと)でコメントしたり言及トラックバックしてきたりで、アッという間に多数のツッコミが入り、あらゆる間違いは訂正され、足りない知識は必要以上に補われます。

そして、被リンクも沢山得られてウマーなのです」

( gajetdaisuke.com より「徳力メソッドというブログの書き方」 https://gajetdaisuke.com/archives/06507_140109.php

ジェット☆ダイスケさんが分析してくれた「徳力メソッド」は(自分で言うのもなんですが)ビジネスパーソンに適した方法なのです。

■ 徳力基彦 (とくりき・もとひこ)

note株式会社 noteプロデューサー/ブロガー

アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 アンバサダー/ブロガー

1972年生まれ。NTTやIT系コンサルティングファーム等を経て、アジャイルメディア・ネットワーク設立時からブロガーの一人として運営に参画。代表取締役社長や取締役CMOを歴任し、現在はアンバサダープログラムのアンバサダーとして、ソーシャルメディアの企業活用についての啓発活動を担当。

note株式会社では、noteプロデューサーとして、ビジネスパーソンや企業におけるブログやソーシャルメディアの活用についてのサポートを行っている。

個人でも、日経MJやYahooニュース!個人のコラム連載など、幅広い活動を行っており、著書に『顧客視点の企業戦略――アンバサダープログラム的思考』(共著、宣伝会議)、『アルファブロガー――11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから』(共著、翔泳社)などがある。

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事