教養・歴史書評

『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 花房観音著 西日本出版社 1500円

『京都に女王と呼ばれた作家がいた』 花房観音著 西日本出版社 1500円

 京都を拠点にミステリーを書き続けたベストセラー作家の山村美紗。その謎多き生涯を同じく京都を描き続ける女性作家が綿密にたどった。江戸川乱歩賞に応募し続けたが、手が届かなかったのを負い目に感じ、文壇で生き抜くため同じく人気作家の西村京太郎とタッグを組み、華麗な経歴を演出。派手に振る舞う一方、仕事を頼まれればけっして断らず、締め切りを厳守する職人肌だった。生前は存在を隠していた夫にも光を当てるなど、抜群に面白い。(W)

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