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全国250大学実就職率ランキング 京大、北大、東北大、名大、阪大、九大、東工大、一橋大、早慶上理、MARCH、関関同立…〈サンデー毎日〉

「サンデー毎日8月15・22日合併号」表紙
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 就活ならサンデー第1弾

 コロナ禍での就活を余儀なくされた2021年卒の大学生。それでも、求人倍率が極端に下がったわけではなく、就職氷河期の再来というわけではなさそうだ。21年卒の就活全般の振り返りとともに、個別大学の実就職率を検証した。

 コロナで上昇傾向に歯止め 難関大からの就職先も変化

 唐突にコロナ禍という特殊な就活環境に投げ出された21年卒の大学生。誰もが経験したことのない就活の状況はどのようなものだったのか。リクルートキャリア就職みらい研究所所長の増本全氏に聞いてみた。

「求人倍率は1・53倍で20年卒を0・3ポイント下回りましたが、就職氷河期(00年)の0・99倍とは異なり、新卒採用は底堅い結果となっています。コロナの影響はありましたが、3月卒業時点の内定率は20年卒と同水準。ただし、進路未決定者と公務員への進路決定割合が若干増加していることが21年卒の特徴です」

 安定した公務員を志望する学生が増えるのは、不況期の就活の特徴。売り手市場が続いてきた就職状況に微妙な変化を感じているのだろうか。実際、右肩上がりが続いてきた大学の平均実就職率も、21年卒は85・4%で前年を2・3ポイント下回った。

 全体の就職状況に大きな変化はなくとも、コロナ禍は大学生の就活に大きな影響を与えた。その一つが対面での就活がストップし、突如オンラインに切り替わったこと。その影響について、大学生の就活事情に詳しい、採用コンサルタントの谷出正直氏は、こう話す。

「抵抗なく積極的にオンラインを活用した学生がいる一方、対面にこだわるあまり、オンラインでの企業説明会や面接の機会を逃してしまい、選考が先延ばしになってしまった学生もいました。オンラインは、言語で論理的に話せる学生に向いている手法であり、表情や身ぶりなど非言語によるコミュニケーションに長(た)けている学生は、その特性を生かしにくかったようです。夏ごろから対面に切り替わった途端、どんどん内定が出たという学生もいました」

 最終的に内定を得たものの、思わぬ就活の長期化に翻弄(ほんろう)された学生が少なくなかったようだ。

 長期化と同時に前述の通り、実就職率も下がっており、「実就職率ランキング」でも前年を下回っている大学が大半。「卒業者数1000人以上」のランキングを見ると、上位10大学の顔ぶれはほぼ20年卒と同じだが、実就職率が前年を上回ったのは8位の宮崎大のみだった。

 トップは金沢工業大 国公立首位は福井大

 同ランキングを詳しく見ると、金沢工業大は5年連続でトップとなった。上場企業と大手企業(資本金3億円以上または従業員300人以上の企業)の就職者を合わせると、卒業生の64%に上る。「実就職率上位10大学の主な就職先」には、SUBARUやJR西日本、ソフトバンク、三菱電機などの有名企業が並ぶ。

 2位は昨年の4位から上がった愛知工業大。フジキカイやデンソーテクノなど、岐阜や愛知の企業に多くの卒業生が就職している。前出の2大学以外にも工科系大学が数多くランクインしており、大阪工業大(4位)、名古屋工業大(5位)、芝浦工業大(9位)、広島工業大(10位)と、上位10大学中6大学が工科系大学だ。

 総合大学では、福井大が3位に入った。卒業者数1000人以上かつ、複数の学部を持つ国立大の中で13年連続のトップだ。就職に強い工、教育、医の3学部の定員が多いことが、高い就職率の背景にある。名城大(7位)や宮崎大も教員養成系や理系学部の定員規模が大きな大学だ。

 女子大では、このカテゴリーの女子大の中で11年連続トップの昭和女子大が14位となった。長らく大規模女子大の中でトップを続ける要因について、同大キャリア支援センター長の磯野彰彦教授は、こう話す。

「キャリア支援センターと教職員が連携して、学生一人一人に向き合っています。卒業生が社会で活躍することで、また昭和女子大の学生を採りたいという企業が増えていることも大きいですね」

 女子大では、東京家政大(17位)、安田女子大(31位)、椙山女学園大(38位)などがランクインしている。

「卒業者数100人以上1000人未満」のランキングは、学生数が少なく就職支援が行き渡りやすいこともあり、実就職率が上がっている大学も多い。上位10大学を見ると、前年と比較可能な7大学中、5大学で実就職率が上がっている。ランキングのトップは前年の14位から上がった大和大で、2位は同じく81位から上がった千里金蘭大。前年の順位を大きく上回る両大学は、ともに教員養成系や理工系、医療系など就職に強い学部の学生数が多い。

 ランキング上位には就職に有利な資格が取得できる医療系大学が多く、京都薬科大(3位)、山形県立保健医療大(4位)、明治薬科大(5位)など、上位10大学中7大学に上る。工科系では豊田工業大(6位)が上位に入った。

 ところで、就職市場全体が極端に冷え込んだわけではないとはいえ、業界によっては、コロナ禍が大きな影を落とした。

「志望業界によって学生の動きが大きく変わりました。航空会社や旅行会社、観光業は、インバウンドで業績好調だった分、採用増を計画しプロモーションを積極的に行っていました。そこが一気に引いたため、多くの学生が戸惑うという現象が起きました。一方、コロナが追い風になった小売業やIT業界の採用意欲は高いままで推移しました」(谷出氏)

 航空会社や旅行会社などは、大学生の人気業種。そこが、大量採用すると言い、学生もその気になっていたところに、コロナ禍ではしごを外されたということだ。その結果、各大学の就職者数が多い企業に変化が表れている。

 採用がストップした航空会社に注目してみよう。「難関大の主な就職先」を見ると、上智大は前年の就職者が29人で2番目に多かった全日本空輸と16人で6番目に多かった日本航空がなくなり、昨年は主な就職先に入っていなかったKDDIやりそなグループなどが入っている。

 また、青山学院大は、41人で就職者が最多だった全日本空輸と32人で3番目に多かった日本航空がなくなり、昨年は上位になかった明治安田生命保険や東京海上日動火災保険などが入っている。立教大は30人で最多の日本航空、25人で2番目に多かった全日本空輸がなくなり、JR東日本、あいおいニッセイ同和損害保険などの就職者が増えている。

 このように航空会社の採用が止まり、一部の難関大の就職先に変化が見られるが、掲載した難関大の就職先は概(おおむ)ね例年並み。理系学部の定員が多い旧帝大や東京工業大は、産官学連携が活発なことから、電力や重電企業の就職者が多い。一方、一橋大や早慶などの難関私大は、大手生損保やIT関連企業が多くなっている。 ただ、一部の業種以外は例年並みとはいえ、就活の環境が大きく変わり、苦労した学生が多かったことは事実のようだ。このことは、就活を終えた21年卒の学生の感想に表れている。増本氏は言う。

「入社予定企業などに就職することへの納得度を聞いたところ、〝あてはまる〟と〝どちらかというとあてはまる〟を合わせた〝あてはまる・計〟は、第1志望群に決まった学生(82・9%)は前年と大きく変わりませんが、第2志望群以下の志望群(79・4%)は前年を大きく上回っています。当初通りにはいかずとも環境に適応しながら行動を進めたことが、納得できるという回答につながったようです」

 厳しい状況で各大学はどのような就職実績を残したか。実就職率ランキングで確認してほしい。

 8月3日発売の「サンデー毎日8月15・22日合併号」は、「全国250大学 実就職率ランキング」「実就職率上位10大学の主な就職先」「難関大の主な就職先」の表を掲載しています。

 他にも「東京9月 医療崩壊へのカウントダウン」「小室圭さん『米国略奪婚』で秋篠宮さまの怒り」などの記事も掲載しています。

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