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蛭子能収のニンゲン画報/199 拡大版 この連載、本になっちゃったよ〈サンデー毎日〉

『おぼえていても、いなくても』
『おぼえていても、いなくても』

 この連載が『おぼえていても、いなくても』(毎日新聞出版)として発売になった。著者の蛭子能収さんに心境を聞いた。

    ◇ ◇ ◇

――連載が本になりました。

蛭子 え? そうなの?

――目の前に……。

蛭子 あ、ほんとだ。すごいね。ぼく、こんなにたくさん描いたんだ。どれくらいやってるんだっけ。

――4年ちょっとです。次回で200回ですよ。その前にやっていた『毎日新聞』の連載(「蛭子さんの自由が一番」)の内容も入って、イラストとマンガがたっぷりですね。

蛭子 ほんとは絵を描くのは面倒くさいから誰かに描いてほしいんだけど(笑)。

マネジャー ぼくの顔を見ないでください(笑)。仕事は取ってきますけど、マンガの代筆は無理です。

蛭子 そっか……残念。ギャラが上がるともっとやる気が出るけどな。

――そこは編集長の英断を待ちましょう。ところで最近、調子はどうですか。

蛭子 体は元気。時々、頭がぼおっとするかな。

――仕事はどうですか。

蛭子 コロナの影響と認知症のこともあって、泊まりがけのロケは受けないからだいぶ減ったけど、インタビューの依頼はぽつぽつあるね。オリンピックが終わったら、バラエティー番組の仕事が増えるといいな。

マネジャー 仕事が入ると調子がいいですね。キレのある絶妙な返しが出る。いろんな現場で人と会うのがいいのかもしれません。

――マンガはどうですか。

蛭子 マンガはこの連載だけ。連載はこれと『女性自身』の「蛭子能収のゆるゆる人生相談」に絞って、ちょうどいい感じかな……。

――声が急に小さくなりましたね。

蛭子 ははは。マンガを描くのが面倒なんだな(笑)。

――唯一無二の蛭子さんの絵、描き続けてほしいです。

蛭子 原稿料くれるなら描くよ。タダだと描く気が起きない(笑)。

――連載を始めたばかりの頃の作品を見るとかなり緻密です。

蛭子 背景もしっかり描き込んでるね。スクリーントーンも貼ってある。仕事が丁寧だな。今はだいぶ絵が粗くなってるな。うーん。

――『毎日新聞』の連載が始まった2015年4月は、軽度認知障害の症状が表れ始めた頃です。

蛭子 面倒くさがりなのは前からで、認知症の影響なのかどうか分からないけど、鉛筆でラフ(下描き)を描いて、ペン入れ(清書)の時に本気を出す。でも最近ペン入れする時に思ったような線が描けなかったり、下絵通りになぞれなかったり。調子がいいと線がすっと描けるけどね。

 漢字が思い出せなかったり、書けなかったりするし、見本を書いてもらっても書けない時があって、あれって。恥ずかしいと思うこともあります。

――葛藤しながら描いているんですね。具体的にどんなことが難しいですか。

蛭子 遠近や立体かな。手の場合、指の数や向きをよく間違える。昔からだけど、このごろ増えたかな。

――格闘の痕跡が原稿からうかがえます。でも、描くのが面倒くさいと言うのは前からの口癖のような……。

蛭子 へへへ。そうだね。なんだかんだ40年たちました。これでも「人と違うものを描きたい」「読む人の予想を裏切りたい」という思いは常にあって、ストーリーマンガを描く体力や気力はもうないけれど、4コマだけは続けたい。

――その姿勢で今後も描いてもらえますか。

蛭子 うーん。できるかな。まあ、その意気で(笑)。

――6人に1人が認知症になるという時代です。近著の『認知症になった蛭子さん』(光文社)に最近のことを詳しく書かれました。

蛭子 なりたくなくてもなってしまうのがこの病気。長生きしたいけど、認知症や高齢には誰もあらがえない。ぼくは死ぬまで元気に生きたいけど、ぼくのせいで女房が倒れてしまったら悲しい。今は女房や周りの人が見守って支えてくれる。感謝しかない。できる限り、働いてお金を稼ぎたいです。

――最後に今後の抱負を。

蛭子 この連載を300回、400回、500回と続けていけるといいな。

――2年、3年、4年先まで描く宣言ですね!

蛭子 え、そんなに先かぁ。できるかな。読者からいただくお便りが励みです。リクエストや質問は編集部に送ってね。

 えびす・よしかず

 1947年生まれ。漫画家。好物はどら焼き

「サンデー毎日8月15・22日合併号」表紙
「サンデー毎日8月15・22日合併号」表紙

 8月3日発売の「サンデー毎日8月15・22日合併号」は、「東京9月 医療崩壊へのカウントダウン」「就活ならサンデー!第1弾 全国250大学「実就職率」ランキング」「小室圭さん『米国略奪婚』で秋篠宮さまの怒り」などの記事も掲載しています。

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