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2022年入試:全国主要私立208高校最新偏差値 難関大付属校で志望者が増 公立トップ校は堅調な人気〈サンデー毎日〉

「サンデー毎日10月31日号」表紙
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 首都圏高校入試では元々、大学付属校人気が高いが、来年はさらに早慶をはじめ難関大付属校の志望者が増加しているという。一方で難関進学校を目指す上位生の動向はどうか。コロナ禍が続く中、どのような入試になるのか。

 難関校志望者が多く受ける駿台中学生テストセンターの模試では、今年の受験者数は例年と比べて変動がないという。同センター主任の丹羽哲さんがこう話す。

「模試の受験者が例年同様の人数でしたので、難関校を目指す受験生は減少していません。コロナ禍の影響は少ないと思います。第1志望校を見ると、大学付属校志向が変わらず強くなっています。特に、今年は早慶付属校の志望者が増えているのが特徴です」

 模試には国語・数学・英語の3教科受験と、理科・社会を加えた5教科受験がある。これは、首都圏高校入試で3教科型の入試を行う高校と、5教科型の入試を行う高校があるからだ。国立大の付属高、開成などの私立トップ校、日比谷など公立トップ校では5教科型入試が中心だ。そのため難関校を狙う受験生は、5教科型で模試を受けるのが一般的だ。

 ところが今年の模試では、学力上位生で3教科しか受けない受験生が増えているという。これは第1志望校が3教科型だからだ。3教科型入試のトップ校は、早慶の付属校だ。つまり、国立大の付属高や開成、日比谷などを狙わず、早慶の付属校を第1志望にする学力上位生が増加しているのだ。その割合は男子が全体の39%、女子は23%になった。早慶の付属校では、男子校の早稲田大高等学院、慶應義塾、慶應義塾志木、女子校の慶應義塾女子、共学校の早稲田大本庄高等学院、早稲田実業が一般生の募集をしている。志望割合の男女差が大きいのは、男子の定員が女子より多いためだ。

 また、人数の増加だけでなく、高偏差値の上位生で志望者が増えている。丹羽さんが言う。

「偏差値60以上の受験生で早慶志望者の割合が、男女とも8ポイント増加しています。この学力層は合格を十分に狙えます。そのため、早慶付属校が難化すると予想します。また、偏差値60未満でも志望者が増えています。前年までは頑張れば合格できた受験生が、苦戦する状況になるかもしれません」

 さらに、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の付属校でも第1志望者が男女とも増加し、男子が全体の12%、女子が18%になった。偏差値50未満の学力層で大きく上昇している。以前は公立志望者が多かった層だ。

 早慶とMARCHなど大学付属校の第1志望者を合計すると、男子は全体の51・7%になり、初めて過半数を超えた。女子も42・7%で初めて4割を超えた。

 さらに、5教科で模試を受ける受験生が大勢を占めていた時は、早慶に落ちたら、公立トップ校や私立進学校を併願する受験生が多かった。大学入試で早慶を狙うためだ。しかし、今は進学校でなく、同じ3教科型のMARCH付属校を選ぶ受験生が増えているという。丹羽さんはこう見る。

「付属校は『楽だ』『遊べる』とか言われていましたが、今は伸び伸びと学校生活を楽しみながら勉強もしっかりできるというイメージに変わってきています。MARCHの付属校は他大学受験を認める学校もあるので、安心して進学できるのも好印象になっています」

 併設大進学と同時に、明治大や中央大の付属校は国公立大など、法政大は全ての大学との併願受験が認められている。より魅力の多い学校として選ばれているのだ。

 学費支援手厚い大阪 私立校第1志望が増

 一方、進学校はどうか。同センター課長の山口勇さんが話す。

「付属校人気が高くなっていますが、上位進学校の志望者も変わらずに多くいます。将来、難関国立大や医学部などへの進学を目指している受験生です」

 首都圏の難関進学校では、国立大の付属高は第1志望者が減っているが、筑波大付駒場、筑波大付、お茶の水女子大付は学力上位生が多く難度は変わらない。だが、学芸大付は上位生が減っているため少し入りやすくなり狙い目だ。

 公立も全体では志望者が減っている。特に女子の減少が目立つ。しかし、上位校では大きな減少はないという。日比谷、西、戸山、青山、国立、立川、八王子東の都立進学指導重点校は全体的に堅調だ。埼玉と千葉の公立トップ校も人気を維持している。神奈川が少し減少傾向で、都内進学校や大学付属校の志望が増えているようだ。

 では、私立進学校はどうか。男子は渋谷教育学園幕張、栄東、国学院大久我山、国際基督教大などの人気が高い。加えて巣鴨、城北、桐朋の伝統男子校の人気がアップしている。女子は栄東、国際基督教大、淑徳与野、渋谷教育学園幕張、朋優学院、國學院などが人気だ。山口さんが言う。

「いずれも大学合格実績が安定していたり、実績が伸びている学校です。将来の大学入試を考えて、自分の実力を最大限に伸ばせる学校を、受験生が主体的に選択している結果だと思います」

 次に、関西圏の学校はどうか。難関大合格に向けた文理学科を持つ大阪府立のトップ10校は、厳しい入試状況が続く。関西圏受験情報に詳しい植田教育研究所代表の植田実さんが話す。

「この10校は、競争率は高くありませんが、高学力の受験生による少数精鋭の厳しい入試です。そのため、併願する私立校選びが重要です。自分が進学してもよいと思える学校を選ぶことが大切です。意に沿わない学校では、高校生活を楽しみ、勉学に励むことが難しくなります」

 併願校として清風南海、関西大倉、清風、明星、桃山学院、大阪桐蔭、四天王寺、箕面自由学園などが人気だ。またICT環境が充実している常翔学園も人気がアップしている。大阪では国の就学支援金に加えて、自治体独自の授業料支援補助金が手厚く、家庭の経済的負担が少ない。そのため、私立を第1志望にする受験生が増えている。無理して府立高を受けるより、面倒見が良く、校風が自分に合っている私立を選んでいるようだ。さらに植田さんは狙い目の学校を教えてくれた。

「公立校のグローバル科は、箕面と和泉を除くと、競争率が以前と比べて落ち着いています。将来のために英語をしっかり学びたいという受験生にとっては、狙い目になるかもしれません」

 コロナ禍で情報が集まりにくいが、興味のある学校はよく調べ、サンデー毎日10月31号掲載の「全国主要208校 私立高校最新偏差値」も参考にし、納得できる学校選びを行ってほしい。

 10月19日発売の「サンデー毎日10月31日号」は他にも、「10・31総選挙 問われる『宰相』 ブレまくる岸田首相に喝!」「緊急連載・社会学的眞子さまウォッチング! 『週刊現代』の責任を問う 危うい『代理人』兼業」「胸の痛み、脇腹痛、血尿…サインを見逃すな! 『逆引き』病気解説」などの記事も掲載しています。

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