困難に直面する日本経済、答えは戦国時代が示している=今谷明
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世の中が大きく変化した時代の商業・ムラ・宗教…から今を知る=今谷明
激動の戦国時代に名をはせた智将の政策は今も色あせない
日本の中世・近世史を見た時、世間でいわれている戦国時代の始まりとされる「応仁の乱」の前と後で大きな変化があった。各地の大名が領国の民を直接、支配するようになった。農業や商業はすでに南北朝時代から室町時代にかけて変化しており、近畿地方を中心に、食料生産や物資の流通量が大きく拡大していた。商業などは応仁の乱でも打撃を受けておらず、むしろ戦乱を利用して興隆したともいえる。
また、応仁の乱の前から見られたが、ムラ=村の力が強かったのも一つの特徴だ。自治の色合いが濃く、村議会のような仕組みもあった。ここから「一揆」「下克上」という言葉も生まれた。
大名が領国を直接支配するようになると、村の力は次第に弱くなっていった。戦国時代は、大名も常に生死の問題に直面していたので、キリスト教が急…
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週刊エコノミスト
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