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経済・企業挑戦者2022

武田誠 フィンターテック代表取締役 仮想通貨担保に現金貸し出し

撮影 武市公孝
撮影 武市公孝

 投機商品とみなされることが多い仮想通貨の価値を広めるため、大手金融機関発のベンチャーが新たな取り組みを始めた。

(聞き手=斎藤信世・編集部)

 暗号資産(仮想通貨)のビットコインを担保に法定通貨を融資するフィンテック事業を展開しています。日本でこのようなサービスを展開したのは当社が初めてです。(挑戦者2022)

 2020年4月のサービス開始時は、法人向けに最低融資額1000万円で始めましたが、21年8月には500万円に引き下げました。11月からは個人へも間口を広げ、200万円から融資可能となっています。法人、個人ともに最大融資額は5億円で、金利は年4~8%。今後はイーサリアムなど、ビットコイン以外の仮想通貨も取り扱う予定です。

 仮想通貨は、裏付けとなる資産がないため価格変動も大きいです。そのため、借り入れ時よりもビットコイン価格が上昇すれば追加の融資を受けることが可能です。一方、大幅下落した場合には、追加の担保差し入れが必要となります。

 これまで投機商品としか見られてこなかった仮想通貨が、資産として認められる一歩目となればいいなと思って始めたビジネスですが、利用者はまだまだ多くありません。またビットコインに関しても、全面的な安定資産とは言い難いですが、今後ボラティリティー(変動率)が下がれば利用者は拡大するとみています。

 当社は大和証券が8割、クレディセゾンが2割を出資している合弁会社です。ビットコインを担保に法定通貨を貸し出すビジネスは、資金力に乏しい新興ベンチャー企業には難しい。大手金融機関の子会社だからこそできる挑戦だと思っています。

 大学では電子工学を勉強しました。卒業後は特にやりたいことがなかったので、それまで金融の勉強は一切したことがなかったのですが、とりあえず大和証券に入社しました。

 僕が大学を卒業した1989年ごろは金融工学やクオンツ運用などが出始めた頃だったので、金融機関が理系の学生を積極的に採用していた時代だったんです。

大和人生31年目の挑戦

11月からは貸し付け型クラウドファンディングサービス事業を開始した フィンターテック提供
11月からは貸し付け型クラウドファンディングサービス事業を開始した フィンターテック提供

 入社後は大和総研に出向し、プログラマーとして第3次オンラインシステムやトレーディングシステムの開発を行いました。その後、大和証券に戻り、新しい商品の開発部署を転々としました。NISA(少額投資非課税制度)やファンドラップ(顧客からの預かり資産を投資信託で一括運用する金融商品)の2次開発などに従事し、最後はインターネット取引部門を経験しました。

 30年の大和人生で、3~4年ごとに部署が変わったので、僕はスペシャリストというよりはゼネラリストなんです。だからこそフィンターテックの代表にも選ばれたと思うので、結果として良かったです。

 2021年11月からは、投資家から集めた出資金をもとに国内外の借り手に貸し付けを行う、貸し付け型クラウドファンディングサービス「Funvest」も始めました。

 今後も、既存の枠にとらわれずに金融ビジネスを根本からひっくり返すような事業を提供していきたいと考えています。


企業概要

事業内容:金融とITを融合した「フィンテック」を活用したサービスの展開

本社所在地:東京都千代田区

設立:2018年4月

資本金:13億6000万円(資本準備金含む)

従業員数:33人


 ■人物略歴

たけだ・まこと

 1967年東京都生まれ。埼玉県立所沢高校を経て、89年電気通信大学電気通信学部卒業。新卒で大和証券に入社し、理系出身者としてシステム開発やクオンツ運用に従事。その後インターネット取引部門統括などを経て、現職。54歳。

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