2022年大学入試:入試速報第3弾 「理高文低」でも志願者伸ばす法学系/大学合格者高校別ランキング 上智、東京理科、学習院、関西、関西学院、南山…<サンデー毎日>
景気の先行きが不透明になると、就職に強い理系学部の人気が高まり文系学部が低くなる、「理高文低」の出願傾向が強まる。2022年度入試(22年4月入学)の一般選抜もそうした傾向が見られるが、文系学部の中でも、系統によって出願状況に濃淡がある。 2月24日までに確定した私立大の学部系統別の出願状況を見ると、志願者が集まっているのは法学系で、前年を100とした時の指数は109。公務員の就職に有利な法学系は、経済状況が悪くなると人気が上がる。現時点で法の志願者が1000人以上増えている大学には、青山学院大や東洋大、法政大、立教大、同志社大、関西大、近畿大などがある。
社会学系も指数が104と、志願者が増えている。代々木ゼミナール教育総合研究所主幹研究員の坂口幸世氏は言う。
「社会学は、スポーツや芸術、消費行動学、心理学など、扱うフィールドが広く、多くの受験生の興味関心に応えられる。そのため、景気が不透明な中でも志願者が増加しているのだと思います」
個別の大学では、同志社大、龍谷大の社会や近畿大・総合社会などの志願者増が顕著だ。
経済・経営・商学系といった、いわゆるサラリーマン養成系では、経営の指数が104と堅調。企業と連携した課題解決型授業を行う大学も多く、実社会とのつながりの深さが志願者増の背景にありそうだ。東海大や東洋大、法政大、近畿大の経営で志願者が大きく増えている。
経済・経営・商学系の残り二つの志願者指数は、経済が99で商が93と前年を下回っている。
文・人文系の指数は101で前年並み。明治大・文や早稲田大の文と文化構想、南山大・人文、立命館大・文、同志社大・文、関西学院大・文などで志願者が大きく増えた。就職に強い系統ではないが、志願状況が堅調な理由について代ゼミの坂口氏は、「この系統は、学びたい分野がはっきりしている受験生が多く、景気や経済状況に左右されにくい」と話す。
コロナ禍で留学が滞るなど、逆風の中で志願者が大きく減少してきた国際系の指数は102。
「コロナ禍が4年間続くとは考えない受験生が増えたのでしょう。これまでの志願者減が底を打ちました」(代ゼミの坂口氏)
国際系は志願者回復 厳しさ続く外国語系
国際系の志願者は、愛知大・国際コミュニケーションや青山学院大の地球社会共生と国際政治経済、東洋大・国際、法政大・国際文化、明治大・国際日本などが大幅増。
国際系とは対照的に、外国語系の指数は82と減少が止まらない。主要100大学の集計で志願者が増えているのは、上智大・外国語くらいだ。外国語系とともに大きく志願者が減少しているのが社会福祉系で、指数は91。仕事の厳しさの割に給与面の見返りが小さいことが、出願動向に影を落としている。
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