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2024年大学入試:早稲田は開成がトップ奪還 慶應は11年連続で開成首位 超詳報「早稲田・慶應」合格者高校別ランキング
大学入試速報・第5弾
18歳人口が減少しても、受験生におもねることなく独自の入試問題を課す早慶。難関国公立大に匹敵する厳しい入試をクリアし、多くの合格者を輩出する学校はどこなのか。2024年度(24年4月入学)の合格状況を見ていこう。
私立大最難関の早稲田大の門戸は狭くなるばかりだ。志願者は21年度に1972年度以来の10万人割れとなって以降も減少が続き、2024年度はついに9万人を切った。とはいえ、早稲田大の人気が下がったわけではなく、受けたくても受けられない受験生が増えているのだ。駿台予備学校入試情報室部長の石原賢一氏は言う。
「大学入学共通テストと独自の記述試験問題を組み合わせた国立大型の入試方式を、21年度から順次導入していることから、私立大専願者は受けづらくなった。半面、難関国立大入試との親和性は強い方式であり、東大や京大などの難関国立大を志望する、優秀な受験生を取り込もうとする意志が感じられます」
大学全体の志願者が減少していても、早稲田大合格者数ランキングの上位校は難関大志望者が多いこともあり、合格者が増えている学校が多い。志願者の減少が始まる前の20年度と比較すると、上の早稲田大「合格者数トップ10」の大半で合格者が増えている。
早稲田大と双璧をなす難関私立大の慶應義塾大は、もともと私立大専願者にとっては狭き門。文系学部で国語の代わりに小論文などを課し、方式によって経済と法が数学を課すからだが、この入試方式も、難関国立大志望者にとっては対策しやすい方式と言える。
「少子化で優秀な受験生が減少する中、国公立大と私立大の区別なく難関大グループの中で学生の争奪戦になっている。そうした状況において、難関大志望者を取り込みやすい早慶の入試は機能している」(駿台の石原氏)
合格者数トップ10を詳細に見ていくと、早慶ともに、東大合格者数ランキングで43年連続1位の開成がトップ。早稲田大ランキングでは、23年度に15年続いてきた1位の座を渋谷教育学園幕張に譲ったが、24年度は1位に返り咲いた。2位は前年の合格者を下回った渋谷教育学園幕張で、以下、3位日比谷▽4位聖光学院▽5位湘南――。開成は慶應義塾大の合格者数ランキングで、11年連続で1位となっている。開成以下は、2位日比谷▽3位聖光学院▽4位湘南▽5位渋谷教育学園幕張――。
現役と浪人を合わせた、総合格者数ランキングでトップの開成も、「現役合格者数トップ10」を見ると、慶應義塾大では1位聖光学院と2位日比谷の後塵(こうじん)を拝する3位。早稲田大は1位で、2位聖光学院と3位日比谷が続くが、現役合格率に注目すると、早慶ともにトップ10ランキング中で最も低くなっている。塾関係者は言う。
「もちろん現役で受からないのではありません。東大志向が強いため、他校に比べて現役で早慶を受ける生徒が少ないのでしょう」
学部別の合格者数ランキングも見ておこう。23年度は早慶ともに法の1位は女子校だった。それが24年度は、慶應義塾大は昨年と同じ頌栄女子学院だったが、早稲田大は桜蔭から開成に変わった。それでも豊島岡女子学園(20人)、桜蔭(17人)、女子学院(16人)と女子校が上位に入っている。早慶の社会科学系の中で女子校が上位にくるのは法のみで、他の学部でこうした傾向は見られない。駿台の石原氏は言う。
「法学部に女子校が多いのは、公務員やインフラ系の公共的な企業などで、自立して働きたいと考える女子が多いからでしょう」
法以外の主な学部別の合格者数を見ると、早稲田大の政治経済は1位開成、2位聖光学院、3位渋谷教育学園幕張。慶應義塾大の経済は1位開成、2位聖光学院、3位浅野。
理系学部では、慶應義塾大の理工は1位開成、2位聖光学院、3位渋谷教育学園幕張。早稲田大の基幹・先進・創造の3理工の合計は、1位開成(115人)、2位渋谷教育学園幕張(84人)、3位聖光学院(70人)。
慶應義塾大の医は1位が桜蔭で2位タイに筑波大付駒場と開成、4位聖光学院、5位タイに筑波大付と灘。最難関の医学部らしく、灘以外にも、甲陽学院、ラ・サール(各3人)や東海、洛南、西大和学園(各2人)といった、首都圏以外の医学部に強い学校も名を連ねる。
「サンデー毎日3月31日増大号」には、大学・学部ごとに合格者が少人数の学校も掲載している。気になる学校の状況を確認してほしい。