米FBIが三菱UFJ銀のマネロン疑惑で積水ハウスの前会長に聞き取り=編集部
積水ハウスの和田前会長に直撃
米連邦捜査局(FBI)が3月19日に積水ハウスの前会長の和田勇氏に、同社が被害にあった詐欺事件でマネーロンダリング(資金洗浄)の疑惑が浮上している問題に関し、資金の決済をした三菱UFJ銀行についての聞き取り調査をした。
FBIは積水ハウスが詐欺グループによる不動産の不正取引への支払で発生した損失をめぐり、三菱UFJ銀の預金小切手の発行と現金化、積水ハウス株式の大量取得、積水ハウス幹部と三菱UFJ銀行との関係などについて調査を進めているという。
銀行の監督を担う米国通貨監督庁(OCC)は2019年2月、三菱UFJ銀行との間で、米国の銀行支店におけるマネロン防止の内部管理態勢などの改善措置を講じることで合意した経緯がある。このためFBIはかねてから三菱UFJ銀行のマネロン問題については関心を持っており、今回再度マネロンの兆候があるとして調査を始めたとみられる。
和田前会長はFBIから3月19日に約1時間、電話によるインタビューを受けており、その内容について詳しく聞いた。
―― FBIは何を聞いてきたのか。
和田 三菱UFJ銀行が、積水ハウスの地面師事件の資金決済、積水ハウスの株式を大量に購入したことを不審に感じているようだった。積水ハウスの稲垣士郎副会長と三菱UFJ銀行との関係についても質問を受けた。
―― FBIは何を不審がっていたのか。
和田 積水ハウスが詐欺グループへの支払いで高額な預金小切手を発行したことを不審がっていた。三菱UFJ銀の都内の支店に口座を持つペーパーカンパニーに入金され、預金小切手を発行した同行がすぐにその日に換金したことに対して、疑義を感じていると話していた。そこにマネロンのにおいがすると言っていた。
積水ハウスが詐欺グループに損害賠償を請求していないことも不審に思っているようだった。積水ハウスで財務をずっと担当していた稲垣氏は三菱UFJ銀行の誰と親しいのかも聞かれた。
――FBIは今後はどうすると言っていたのか。
和田 三菱UFJ銀にも聞き取りを行うと言っていた。地面師事件を知っている私に三菱UFJについて聞きたかったようだ。積水ハウスの社外役員がまとめた調査報告書も読んでいるようで、その内容が真実かどうかも確認したかったのだろう。