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新型コロナ感染で署員の4割「125人」が自宅待機となった「兵庫県警神戸西署」の驚くべき「脇の甘さ」
「自粛中」にもかかわらず「幹部が飲み会」!
兵庫県警神戸西署が非常事態に陥った。
同署員11人が新型コロナウイルスに感染し(4月17日現在)、125人が自宅待機している。署員の4割近くが出勤できないという。
県警本部などから応援部隊が入って切り盛りせざるを得なくなっている。
最初の感染者は4月7日に判明した交通課の男性警視(50代)。その後、ほかの署員も相次いで感染したことが分かった。
県警本部は9日、「飲み会などはなかった」と記者会見で説明したが、翌日には一転して、「3月27日に幹部ら7人が神戸市内の居酒屋で、異動してきた北山正紀署長と横山貴行副署長(いずれも50代)の歓迎会をしていた」と訂正。
歓迎会には前出の交通課警視も参加していた。4月13日には署長と副署長の感染も明らかになっている。
副署長は当初、本部に「幹部メンバーの歓迎会などはなかったが、個々の飲み会は掌握していない」と伝えていた。
なぜ歓迎会について報告しなかったのか。
「感染が分かった10日ほど前のことなので、思いが至らなかった」と弁明しているという。
影響は県民に及んでいる。
交通課警視の妻が感染したため、県警職員の妻が勤務する明石市の運転免許試験場が閉鎖されたのだ。
幹部らが歓迎会を開いたのは、兵庫県が緊急事態宣言の対象地域に指定された7日より前。しかし、井戸敏三知事はすでに不要不急の外出や飲み会などの会合を自粛するよう求めていた。
感染の恐れがある人の観察期間は最低2週間だ。
もっとも歓迎会が感染源かどうかは不明。幹部同士は署内の「朝会」などで日常的に接していたという。
署長は着任するまで県警本部の監察官室長。昨年は女性巡査長(当時27)が風俗店でアルバイトし、拳銃を駅のトイレに置き忘れた不祥事の対応に腐心した。
今回は警察幹部として脇が甘かったようだ。信頼を取り戻すのには新型コロナの終息と同じぐらいの時間がかかるだろう。 (粟野仁雄)