国際・政治

「コロナで死ぬか、飢えて死ぬか」大規模デモと凶悪事件が米国で増加する理由

    州議会議事堂前でプラカードを掲げ外出制限に抗議するデモ参加者ら=米東部ペンシルベニア州ハリスバーグで1日、高本耕太撮影
    州議会議事堂前でプラカードを掲げ外出制限に抗議するデモ参加者ら=米東部ペンシルベニア州ハリスバーグで1日、高本耕太撮影

    カリフォルニア州やニューヨーク州などの知事が「在宅命令」を出してから1カ月以上になった。

    日用品の買い出しや通院などを除いて外出を禁止する「ロックダウン(都市封鎖)」は、約2600万人の職を奪った。

    安倍晋三政権が「1人10万円」の給付に手こずる中、米内国歳入庁は4月18日、「8000万人を超す米国の納税者に『経済影響給付』を支払った」と発表した。

    給付額は1人1200ドル(約13万円)。

    日本とは違って所得条件があり、個人で確定申告する人は2019年の控除後所得が7万5000ドル以下、夫婦共同で確定申告する場合は15万ドル以下。それより多い人は給付額が減る仕組みだ。

    16歳以下の扶養家族1人につき500ドルの加算があるほか、年金受給者は確定申告をしていなくても自動的に給付対象となる。

    1200ドルを受け取っても、その後の収入のめどが立たず、不満が高まっている。

    4月18〜19日の週末には、ロックダウンの解除を求める大規模なデモが十数州で起きた。

    「コロナで死ぬか、飢えて死ぬか」と、企業や店の再開を求める声が多い。自粛疲れならぬ〝ロックダウン疲れ〞が広まっている。

    ロックダウンが始まってから間もない3月下旬には、「犯罪が減少した」と報じられたが、ここにきて強盗などの凶悪事件が目立ってきた。

    民主党の連邦下院議員は「就業率が60%になるまで、1人2000ドルを給付する」という内容の法案を出した。フィンランドなどで試行した「ベーシックインカム」(最低所得保障)に近い左派色が強い政策だ。

    今の米国経済はそのような政策を検討するほど追い詰められている。

    米政府は緊急経済対策として企業や個人事業主に無利息融資を始めたが、資金はすでに枯渇。大盤振る舞いをするだけの財源があるか疑問だ。

    一方、早すぎる経済再開は新型コロナの第2波を招きかねない。米国の苦悩は根深い。

    (土方細秩子)

    インタビュー

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月8日号

    もうかるEV(電気自動車)、電池、モーター14 「電動化」が業績・株価を左右 「次の勝者」探しも活発化 ■神崎 修一/桑子 かつ代/斎藤 信世16 巨人の焦り トヨタから「自動車」が消える日 ■井上 久男18 自動車部品 日本電産が台風の目に ■遠藤 功治20 図解 EV用電池「国盗り物語」 ■編集 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事