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「後輩芸人に100万円貸し付け」で面目躍如の松本人志を「あの業界」の人々が批判する理由
ダウンタウンの松本人志が「吉本興業の後輩芸人に無利子・無担保で自腹で100万円まで貸し付ける」と救済に乗り出した。
「お笑い界からは〝太っ腹〟と歓迎する声が上がっています。しかも、貸し付け条件は松本を唸らせる〝オモロイやつ〟。松本らしい発想ですよ」(吉本興業社員)
ところが、水商売関係者から、批判的な声が上がっているのだ。
松本はフジテレビ系の日曜午前の情報番組「ワイドナショー」で給付金の問題に触れ、「水商売のホステスさんが休んだからといって、普段のホステスさんがもらっている給料を我々の税金では……。俺はごめん。払いたくないわ」と発言して物議を醸したが、松本は批判には頰被かぶりを決め込んでいる。
「収入が一定基準を下回った1世帯に対して30万円を給付する案は撤回され、国民1人あたり一律10万円の給付になった。しかし、すでに、銀座のクラブのホステスや従業員の給料の未払いが続出しているんです」(クラブ関係者)
小池百合子東京都知事の「接待を伴う飲食店に行くことを自粛してほしい」との呼びかけで、銀座のクラブやバーは3月30日から大半が臨時休業に入っている。
7丁目のクラブホステスは「3月はちゃんと出勤してますから、給料が出ると思ったんですが、店に連絡したら『金がない。店が潰れる』と言われた。他の店も未払いが続出しているんです。10万円の給付金では焼け石に水ですよ」という。
ホステスの中には個人事務所を作って、店と契約している女性もいる。
彼女らは個人事業主だから国の休業補償の対象となるが、大半のホステスは休業補償がない。
「このまま休業が続けば、夜の銀座は失業者が続出する。銀座にしてからこの悲惨な状況。各地域の繁華街は推して知るべしですよ」(前出のクラブ関係者)
業界では後輩芸人を救済する大物ぶりを発揮しても、失職に追い込まれたホステスへの差別的な発言についてはどう答えるのか? 松本の度量が問われる。
(本多圭)