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自粛で窮地の飲食店を救う「出会いアプリ」の正体

JR東京駅八重洲口近くの飲食店が集まる一角は普段だとランチ時は大勢の人であふれるが、緊急事態宣言以降は4割ほどの人出だという=東京都中央区で2020年4月22日午後0時4分、梅村直承撮影
JR東京駅八重洲口近くの飲食店が集まる一角は普段だとランチ時は大勢の人であふれるが、緊急事態宣言以降は4割ほどの人出だという=東京都中央区で2020年4月22日午後0時4分、梅村直承撮影

スマートフォンのアプリ(ソフトウエア)を開発・運営するベンチャー企業のキッチハイク(東京都台東区)が、飲食店を支援する「#勝手に応援」というサービスを展開している。

同サービスはこんな仕組みだ。

キッチハイクが運営する同名アプリのユーザーは、飲食店で支払いに使えるチケットを買う。

同社は売り上げから決済手数料(代金の5%分)を差し引いて、店に入金する。

有効期限は購入してから6カ月間だ。

店にとっては、政府が外出自粛を要請する中、来店できない客から食事代を得られる。

客にとっては、外出できるようになってから食事するための前払いになり、チケットを使わなければ純粋な寄付になる。

対象店は、自らアプリに登録した店かユーザーが推薦した店だ。

3月にサービスを始めて4718人が利用し、チケットの総額は990万円という(5月7日現在)。

このアプリには、実は「別の用途」があった。

見知らぬ人と食事をしたいユーザーが食事イベント「ごはん会」を探し、参加の申し込みをする機能だ。

同社のウェブサイトには「同世代と食事ができて楽しかった」とする、半年前に上京した23歳の女性のコメントが載る。

ごはん会は飲食店に限らず、個人宅やレンタルスペースなどで開くこともあるという。 しかし、新型コロナの感染が広がってから不特定多数が食事を誘い合うアプリは使われない。

同社の山本雅也共同代表は、こう考えた。

「コロナ禍の今、パートナーである飲食店や食の現場に携わる人のために自分たちができることはないのか。そう考えた結果が〝未来のお客さん〞を作ることでした」

そして始めたのが新サービス「#勝手に応援」だ。

「今の状況では、店の側から『困っている』『来てほしい』と声を上げづらい。私たちが作っている食のコミュニティーがその声をすくい上げようと考えました」(山本氏)

時宜にかなうサービスだろう。

(小出和明)

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