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通算勝利数現役5位!50歳の「オジサン力士」は記録をどこまで伸ばせるのか【サンデー毎日】

立浪部屋の力士・華吹さんに体当たりする園児ら=岐阜市入舟町のかぐや第一幼稚園で2012年7月24日、立松勝撮影
立浪部屋の力士・華吹さんに体当たりする園児ら=岐阜市入舟町のかぐや第一幼稚園で2012年7月24日、立松勝撮影

大相撲の現役最年長力士、序二段の華吹(立浪)が5月28日に50歳となり、「中年の星」として、どこまで記録を伸ばすか注目されている。

1986(昭和61)年3月の春場所が初土俵。昨年5月の夏場所ではただ1人、昭和、平成、令和の3時代にわたって土俵を踏んだ力士として話題となった。

令和最初の本場所では「あまりしゃべらないようにしているので……」と控えめなコメントに終始した。今回も「変わりなく相撲を取っているだけです」と寡黙だった。 

34年間に積み重ねた出場回数は通算1401回で、現役2位(1位は琴奨菊の1464回)。204場所は史上最多だ。

今年春場所までの通算成績は658勝743敗13休で、現役力士の通算勝利数も5位だ。最高位は東三段目18枚目で幕下に上がった経験はない。地上波のテレビ中継で取組を見ることができない地位ではある。

しかし所属する立浪部屋の「ちゃんこ長」として裏方もこなし、自身の1年後に初土俵を踏んだ弟弟子でもある立浪親方(元小結・旭豊)を支えている。 

華吹の記録の特筆すべき点は、関取にも劣らない出場数と勝利数を積み上げていることだ。1場所で15番取る十両以上の関取と違い、幕下以下は1場所7番だけ。年6場所皆勤しても42番しかなく、半分勝ったとしても年に20勝ほどだ。

年を重ねても大きなけがもせず、土俵に上がり続けて積み上げてきただけに価値がある。

ずっと下積みながら引退の声が掛からなかったのは、まじめな性格で親子ほども年が離れた力士たちに慕われていたからだろう。 

八百長問題に揺れた2011年、外部有識者の委員会から答申された改革案には、一定期間を過ぎても関取になれない力士を引退させる制度が盛り込まれていた。

もし導入されていたら、今の華吹はいなかったはず。

ここまで来たらぜひ、史上最高齢力士(52歳=江戸時代の宮城野)を目指してもらいたい。

(水木 圭)

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