米中日韓半導体戦争=浜田健太郎
「華為技術(ファーウェイ)はスマートフォンの高級機種を製造できなくなる」──。ハイテク産業に詳しい元日本政府関係者は、米国政府が対ファーウェイ規制を強化した影響をこう指摘する。半導体製品を台湾企業に製造委託する道が絶たれれば同社には大打撃だ。
ファーウェイは近年、日本からの部品調達を急激に増やしてきた(図1)。ソニーや村田製作所など電子産業を潤してきた「ファーウェイ特需」も幕引きになる可能性は否定できない。
日本政府が昨年7月に打ち出した対韓国向け半導体関連3品目の輸出規制を強化した影響も顕在化している。その一つ、フッ化水素の対韓国向け輸出は、規制が強化される前後9カ月間を比較すると輸出金額は88%減少した(図2)。
ハイテクコンサルタントの服部毅氏は、「韓国は半導体素材で日本に依存せずにすむくらいの実力をつけてきた。結果的に韓国向けに輸出していた大阪の2社、森田化学工業とステラケミファが被害を受けたことになる」と指摘する。
(浜田健太郎・編集部)(米中日韓半導体戦争)