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アマビエ様で思わぬヒット?「疫病退散風鈴」が人気【サンデー毎日】
「このコロナ禍では店頭販売も催事出店もできず、風鈴づくり体験教室も開けず。でも、今年の新顔、アマビエ様の風鈴がネット販売で予想以上のヒットになりました」
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そう話すのは東京都江戸川区の「篠原風鈴本舗」取締役の篠原恵美さん(65)だ。
絵付けを担当して40年になる。
アマビエは江戸時代後期に現れたという半人半魚の妖怪で、疫病退散に御利益があるとされる。
厚生労働省の新型コロナウイルス感染防止を呼びかけるキャラクターにも採用されている。
商品化の企画は今年3月。
篠原さんは「風鈴の前身はお寺の屋根の四隅に吊られ、風で鳴ることで魔ま除よけになる風鐸です。アマビエ様の風鈴は筋が通っている」と考えた。
ポイントは「カワイイ、珍しくて欲しいと思ってもらえるかどうか。体をピンクやブルーの色遣いにして、反対側には(由来ともされる)猿の妖怪アマビコ様も描き、ダブルで御利益を願いました」。
定番商品と同じ税込み1870円で4月に発売した。すると、SNSで人気に火がつき、新聞各紙に取り上げられた。
「若い方はネットで、年配の方はお電話で注文が。人に配りたいからという再注文が目立った」と篠原さん。
ただ、絵付けが多くなるほど、「アマビエの絵柄は細かくて手間が大変です。ガラス玉の内側に手早く描ける金魚や朝顔と同じ値段にしたのが採算的には……」と苦笑も浮かべる。
篠原風鈴本舗では40年以上前、魔除けの色の赤い風鈴が大半だった。新顔の風鈴づくりを本格化するのは平成に入ってから。
客やマスコミから「今年は何だい?」と聞かれるようになった。
ワールドカップの年にはサッカーボール型を出した。パンダや東京の街並み、アジサイやヒマワリなどヒット作は定番に昇格した。
伝統の技を現代に生かし、一日も早い疫病退散を願う篠原さん。コロナが終息するのか。それとも、アマビエ風鈴が新たな定番となっていくのか。
(南條廣介)