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経済・企業 深層真相

過払い金訴訟の東京ミネルヴァが破産に追い込まれた裏事情

 過払い金の返還請求を手掛け、積極的にテレビCMを展開していた弁護士法人東京ミネルヴァ法律事務所(東京都港区)が6月24日、東京地裁から破産手通きの開始決定を受けた。破産申し立てをしたのが第一東京弁護士会というのも異例だが、実際は「事務所の“乗っ取り”にあった代表の弁護士が弁護士会に駆け込み、申し立てをしてもらったようだ」(関係者)。

 負債総額は実に約51億円で、弁護士法人の倒産としては過去最大という。このうち、少なく見積もっても30億円前後は、金融業者から取り返し、依頼人に渡さなければならないはずのお金とみられる。過払い返還請求ブームがピークアウトしてすでに10年近いが、東京ミネルヴァはCMを出し続け、いぶかる声が業界内にあった。

 食い詰めた弁護士事務所が第三者に乗っ取られる事件は、昔からたびたび起きている。印鑑や帳簿、口座、案件の管理は、第三者から送り込まれた事務長に握られ、弁護士は思いのままに操られてしまう。今回も印鑑を握られたため自己破産すらできなくなったようで、負債総額の大きさなど事態を重くみた弁護士会は、財産の流出などを防ごうと会費滞納を名目に債権者として破産を申し立てる選択をしたとみられる。

(本誌初出 東京ミネルヴァの破産決定 印鑑を「握られた」事情 20200714)

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