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経済・企業 コロナ激変 不動産

インタビュー 元谷外志雄(アパグループ代表) コロナ禍でも予定通り開業する

── 長期化する新型コロナウイルス感染拡大の影響はどうか。(コロナ激変 不動産)

■厳しい状況にはなっている。5月25日に緊急事態宣言が解除されて、6月の稼働率は72%まで戻ったが、また感染者が増え、7月は27日までに57%まで下がった。コロナ前は宿泊者の30%がインバウンド(訪日客)だったが、今はほとんどゼロの状態。インバウンドはいずれ戻ってくると思うが、当分は厳しい。ビジネス客は、徐々に回復している状況だ。

── 2020年11月期決算の見通しは。

■過去3年で約1050億円の経常利益を出した。今期決算では、経常利益50億円超えを目指す。今期は下手したら赤字の可能性もあるが、黒字は確保したい。

── テレビCMで知名度は高いが、財務状況などの情報開示が少ない。

■出す必要がない。うちは自己資金でまかなっている。融資したい銀行には、コンペティション(競争)させ、一番いい条件のところから借りる。メインはSMBC(三井住友銀行)だが、みずほ銀行も三菱UFJ銀行も頑張っている。(金利は)安くて0.38%だが、以前借りた1%も残っている。

軽症者を受け入れ

── 新型コロナ感染軽症者の受け入れを決めた経緯は。

■4月2日に政府から、「新型コロナの軽症者や無症状者を受け入れてもらえますか」との要請があった。本来は一般のお客様に使ってもらうのが健全だが、国難の中で、国から要請があったら、やらざるを得ない。その時点で予約されていた方には、社員が電話で事情を説明し、理解してもらった。ホテルに入っているテナントには、うちが休業補償する形で了承を得た。現在は、開業前のホテルなど合わせて10棟のホテルで感染軽症者を受け入れている(7月30日時点)。

── コロナ禍でホテル業界の淘汰(とうた)が進むのでは。

■日本の最大の成長産業は観光産業だ。今のような時こそ、買えるホテルがあれば買い、寡占化一番乗りを目指す。そういう意味ではチャンスになる可能性がある。業界でのシェアは、現在のところ10%までいっていないが、これを20%にまで引き上げたい。

── コロナ禍によって、開業を延期するホテルも出ている。アパグループでは、新規開業のホテルは予定通りオープンするのか。

■決めたものは、全部予定通りやるというのが私の方針。大きな設備投資が終わっているうえ、そこに泊まる需要がある限り、開くのはホテルの使命だ。東京では今年、都内最大規模の両国タワーが開業した。来年以降も、出店計画に変更はない。

(聞き手=斎藤信世)

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