2030年には韓国が世界のトップに 非メモリー半導体に巨額投資をするサムスン電子の野望
サムスン電子は、韓国・平沢(ピョンテク)に新たな半導体工場「P3」を建設する計画を進めている。同社は、2030年に非メモリー半導体業界の世界トップに浮上する目標を打ち出しており、P3はその目標達成のうえで重要な役割を担う。
また、すでに稼働中のP2工場でも、新たに混用半導体ラインの建設を目指す。P2だけで総額30兆ウォン(約2兆6800億円)の巨額投資を断行しており、20年5月に極端紫外線工程のファウンドリー(受託生産)ラインの建設、6月には3D-NAND型フラッシュメモリー生産ラインの建設を打ち出し、8月末には次世代DRAM製品の量産を開始している。
新型コロナウイルスの終息もまだ見えない状況にもかかわらず、このような大規模投資に踏み切るのは、半導体市場の支配力を一層強めたい李在鎔(イジェヨン)副会長の強い意志の表れだろう。
半導体製造分野のオールラウンドプレーヤーを目指し、これまでメモリー半導体事業に比べ軽視されていた非メモリー半導体事業の成長に注力するだけでなく、ファウンドリー事業では世界トップの台湾TSMCを猛追する。李氏の今後の事業手腕が注目される。
(嚴在漢・産業タイムズ社ソウル支局長)
(本誌初出 韓国 半導体工場に大規模投資=嚴在漢 20200922)