ミネルバ大現役生に聞く 梅澤凌我さん(2年生) 「世界を変えるためミネルバを選んだ」
ミネルバ大の日本人在校生に、入学の動機や授業の様子を聞いた。(コロナで消える・勝ち残る大学)
(聞き手=白鳥達哉/吉脇丈志/稲留正英・編集部)
── ミネルバ大を選んだ経緯は。
■中学3年終了後の春に、「グローバル人材育成プログラム」という海外研修で、米ハーバード大学を訪れたのがきっかけ。中高は京都の公立校で近くに京都大があるが、ハーバード大はスケールで圧倒的な違いがあった。しかし、高校3年になり、ハーバード大のことを調べたら、自分が魅力に感じる授業や専攻が見つからなかった。そうした時にミネルバ大を知った。ミネルバ大のカリキュラムは実践に重きを置き、世界7カ国を回りながら、世界を変えられる力が付けられる。それで、選んだ。
── 授業はどのようなものか。
■1年目は「基礎の年」と言われ、全員が1年間米サンフランシスコで学ぶ。「HCs」、つまり、「Habits of Mind(訓練することで無意識に使いこなせるようになる思考法)」と「Foundational Concepts(さまざまな分野に応用できる思考・コミュニケーションの枠組み)」という約80個からなる問題解決のスキルを自分のものにする。このスキルは4年間を通じ、いろんな場面で応用していく。
── 具体的には。
■1年目は大学と提携しているNPOや企業に行き、課題を分析し、解決策を探す「シビックプロジェクト」という必修科目がある。私は、Genslerという国際的なデザイン会社で研修した。課題は、オンライン授業が活発になる中、オンラインでの学習を効果的なものにするには、物理的な空間をどのようにデザインすればよいかと言うものだった。
日本人学生は11人
── コロナの影響は。
■授業は全部オンラインでやっているので、影響は全くない。講師は米、英、イスラエルと世界中からで、使用言語は英語だ。ただ、今年9月の2年目からは、元々、韓国に行く予定だったが、入国できず、今は、上級生のいる独ベルリンに滞在している。1学年は2学期制で、2年目からは半年ごとに滞在地を変えることになる。
── 都市ごとに学ぶテーマは変わるのか。
■サンフランシスコはスタートアップや起業家精神が学習テーマだ。ベルリンは、環境や自然と都市というところがフォーカスされている。
── 学生の数や国籍は。
■私たちの学年で160人くらい。日本人は私の学年で、私を含めて4人。1人は熊本の公立校、残りの2人はインターナショナルスクール出身の帰国子女だ。4学年では600人超で日本人は11人。国籍は私の学年で46カ国、全体では80カ国。面白いのは、私の学年では米国人は十数人しかしないのに、ウクライナ人が17人もいることだ。
── 学生同士の交流は。
■ミネルバ大はれっきとしたオフラインの大学だ。キャンパスはないが、各都市でアパートを借りた寮という仕組みがある。訪問スペースがあり、そこでイベントが開かれたりする。普通の大学より同学年での交流はむしろ密だ。オフラインの学生間の交流があり、ハイブリッドによって初めて深い学びが得られる。これは重要なポイントだ。