教養・歴史 ちょっとだけ自分が好きになれる7つの方法
「イマイチ他人から評価されない人」が知っておくべき「自己評価を高める」ための簡単な方法(有川真由美)
「どうして同じミスばかり繰り返してしまうんだろう……」
「周囲の人と人間関係をうまく築けない自分はダメだ……」
「成功している人にくらべて、自分の見た目、能力、経歴は劣っている……」
など、誰しも「自分が嫌い」と思うことがあるもの。
あまりに自信過剰で、調子に乗ってしまうよりも、少々自信がないくらいのほうがちょうど良いのかもしれません。
ですが、あまりにも自己評価が低いのは困ったことです。
ある程度自信を持っているほうが魅力的に見えますので、あまりに自己評価が低すぎる人は周囲からもなかなか認められないという思いを味わうことになったりします。
そもそも本人にとっても、「自信がなく、自分のことが嫌い」という状態は辛いものでしょう。
『「ダメな自分」がちょっとしたことで好きになる7つの魔法』(毎日新聞出版)を上梓した作家の有川真由美氏が、「自分を好きになるコツ」を伝授します。
「イマイチ認められない人」は「自分のことが嫌い病」にかかっている!
「あぁ、自分ってダメだな」とか、「もっとこうであったらいいのに」と思うことは誰にでもあります。
じつは、私もかつてそんな思いを抱えていました。
自分のことが嫌なときは、自信がなくて、行動することや人と関わることが消極的になったり、「人からどう思われているのか」が気になって、だれかの些細な言動に落ち込んだりしたものです。
自分を好きになれる人は、幼いころからずっと愛されて育ってきた人や、魅力や能力があって自信満々な人なのだろうと思っていました。
まず、あなたに伝えたいのは、どんな人でも、どんな自分でも、自分を好きになることは可能だということです。
そして、自分をどれだけ好きになり、どんな人としてとらえるかで、人生はまったく変わったものになってきます。
自分を好きになるために、人に認められたり、人から好きになってもらったりすることは重要ではありません。
他人が自分をどう思うかではなく、自分が自分をどう思えるかが、本当の価値になっていくのだと思います。
「安心感」を持てれば毎日が楽しい!
まずは、「ダメなところや、弱いところがあっても、それはそれでいい」と自分で自分を認めることが始まりです。
自分の性質を変えようとするのではなく、「これが自分」とありのままの自分を認めて、自分を喜ばせること、自分を生かすことにフォーカスしていくと、生きることがほんとうにラクになります。
結果的に人に認めてもらえること、好きになってもらうことも増えてきます。
自分のことを好きになると、ほかにも……
●自分自身を怒りや悲しみでむやみに傷つけることが、圧倒的に少なくなる
●ほんとうにやりたいことが見つかって自然に動ける
●ものごとを肯定的に受けとめられるようになる
●自分の気持ちを恐れずに人に伝えられる
●自分の人生を自分で決めている感覚をもてる
●根拠がなくても、なんとかなるように思えてくる
●他人に対しても、やさしくなれる
など、自分に対して〝安心感〟をもつことができ、毎日が楽しくなってくるのです。
自分の絶対的な「応援団」を持とう
といっても、「自分のことが嫌」「自分を好きになれない」というのは、感じ方や考え方のクセなので、すぐに自分を大好きになれるというわけではないでしょう。
自分を好きになることは、自分の絶対的な〝応援団〟をもつことです。
自分の力を信じて、心から応援することができれば、自分が幸せになれること、成長できることはいくらでもやってあげようとするでしょう。
反対に、自分を悲しませること、嫌がることは、どんなことでも阻止しようとするでしょう。
落ち込むことがあっても「あなたなら大丈夫」と声をかけて、また前を向けます。
いま、私たちが見ている自分の姿は、自分のほんの一部にすぎません。
きっとまだ自分の奥深くに隠れている力や愛があるはずなのです。
とことん自分に興味をもって好きになって、どこまでも自分を信じて、だれとも比べる
ことのできない人生を、ゆたかで誇りある物語にしていこうではありませんか。
「自分のことが嫌い」なのは、自分のことが見えていないから
最初に質問です、あなたが「自分のことが嫌」と思うのは、どんなときですか?
「同じミスを繰り返してしまうとき」
「まわりとうまく人間関係が築けないとき」
「見た目や能力、経歴など劣等感をもつとき」
「やろうと思っていたことを、やれなかったとき」
「人に迷惑をかけたり、叱られたりしたとき」
「ラクなほうに逃げてしまうとき」
などなど、そこには、いろいろな理由があるでしょう。
「自分のことが嫌」と思うのは、自分に対する〝期待〟と〝現実〟とかけ離れているから。
「〇〇でありたいのに、そうでない自分」が受け入れられず、責めたり、失望したり、劣等感をもったり……と、自己嫌悪に陥ってしまうのです。
「こんな自分でありたい」と期待するのは、とても大切なことであり、生きるエネルギー
です。
が、その〝期待〟は、自分の気持ちや、自分の性質を無視して、「〇〇でなければ」と、無茶な要求になっているかもしれません。
心に「もう一人の自分」を持つ
その〝現実〟は、そんなに不安がらなくてもいいことなのかもしれません。
自分が嫌で、自信や気力をなくしてしまうのは、自分が置かれた状況を冷静に見られず、マイナスの面ばかりがクローズアップされているのです。
そこで、自分を好きになるひとつ目の魔法は、心に「もう一人の自分」をもつこと。
「もう一人の自分」とは、賢く、心あたたかい親友で、どこまでも自分の味方。
自分をいつも見守っていて、励ましたり、癒やしたりしてくれる存在と考えるといいでしょう。
客観的に自分を見る目をもつと、ものごとの見え方が変わってきます。「こんなとらえ
方もあるよ」と教えてあげると、元気を取り戻して前に進めるのです。
悲観から抜け出すために、「理想」より「現実」のほうに焦点を合わせる
なにかうまくいかないとき、鬼教官のような厳しさで、自分を叱っていませんか?
たとえば、私もついやりそうになることですが、今日やろうと思っていたことが半分しか終わらなかったとき、「なんてダメなの!」「ほんと、意志が弱いなー」「ほかの人はできているのに」などと自分にダメ出しをしてしまいそうになります。
そこで、〝もう一人の賢い自分〟を登場させて、こう自分に声をかけるのです。
「まぁ、それは、そうなるよね」
大事なのは「良い」とか「悪い」とかではなく、そのままの自分、そのままの現実を、他
人のように見つめること。
そして、大切な親友を励ますように、愛のある言葉をかけるのです。
「半分も終われば、上出来じゃない? じゅうぶんよくやったよ」
「え? もしかして全部終わると思ってた? おこがましいわー」
「ハードル高すぎ。ていうか、ほかに自分に合う方法があるんじゃない?」
など、声をかけていると、心が軽くなってきます。
どんな自分でも「それが自分」と受け入れる
不思議なもので、現実を受け入れると、心は自然に前を向くのです。
自分を好きになるために、せっせと自分磨きをしたり、まわりに認めてもらったりして、理想的な自分になることもひとつの方法。
ですが、そうでない自分は受け入れられず、根本的な解決にならないでしょう。
〝もう一人の自分〟になって、どんな自分でも「それが自分」と受け入れることは、いつでも、どこでも、だれでもカンタンにできて、効果バツグンの魔法です。
本当の「好き」は、いいところも、そうでないところも「受け入れること」。
ダメな自分でも、嫌なところがあっても、一緒に生きていくしかないでしょう?
有川真由美(ありかわ・まゆみ)
作家、写真家。鹿児島県姶良市出身。熊本県立熊本女子大学生活科学部生活環境学科卒業、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。
化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。46カ国を旅し、旅エッセイも手掛ける。
「いつも機嫌がいい人の小さな習慣」(毎日新聞出版)など著書多数。
内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「暮しの質」向上検討会委員(2014-2015)。日本ペンクラブ会員。