マーケット予想 日経平均 3万5000円が視野=武者陵司
世界株式はコロナ制圧後の同時好況を織り込む上昇相場に入った公算大。イノベーションの加速、財政金融拡張政策が、有効需要を一気に押し上げる。中でも日本株がベストパフォーマーになっている。PBR(株価純資産倍率)1倍という超割安是正のバリュエーション革命が来たるべき世界同時好況をきっかけとして起き始めているのかもしれない。(日本経済総予測 2021)
2000年代以降3回目の上昇相場かも。05年の「小泉郵政解散相場(5カ月で42%上昇)」、12年末からの「アベノミクス相場(6カ月で66%の上昇)」に、スガノミクス相場が続くとすれば、2万3000円を起点に、3~5割上昇の3万~3万5000円が視野に入る。今回も先行する2大相場の5条件が満たされるだろう。
すなわち(1)数年間の株価低迷による上昇バネの蓄積、(2)外国人の日本株飢餓感(アベノミクス時に取得した累計23兆円をすべて売却し、慌てて買い増し始めた状況)、(3)世界同時好況による世界経済敏感の日本株式押し上げ、(4)改革による日本株ブーム点火(バフェット氏の5大商社株式投資が拍車も)、(5)米FRB(連邦準備制度理事会)の超金融緩和政策は終盤、政策転換で円安が見えてくることなど──が満たされよう。
(武者陵司・武者リサーチ代表)