三菱UFJ銀の次期頭取は13人抜きの半沢常務
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は12月24日、傘下の三菱UFJ銀行の次期頭取に同行の取締役常務執行役員の半沢淳一氏(55)が昇格する人事を発表した。副頭取と専務ら13人抜きの異例の人事となった。来年4月1日付で就任する。
同日午後に開かれた記者会見で半沢氏は、「大変光栄だと感じると同時に責任の重さを感じている」と述べたうえで、頭取就任後は「現場や顧客との距離を短くしたい」と語った。
三毛頭取が退任を申し出
MUFGの亀澤宏規社長は今回の人事について、「世代交代と若返りを一段と進めるため」とし、三毛兼承頭取(64)から退任の申し出があったことを明らかにした。
半沢氏は1988年に東京大学経済学部を卒業後、同年4月に三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行した。企画部長や名古屋営業本部長などを歴任し、2019年3月にはMUFGの最高法令順守責任者(CCO)に抜擢された。
座右の銘は「一念天に通ず」で、経営課題に直面すれば率先して関係者と話し合いをするなど、難局にも実直に取り組む人物、が会社の評価。
平野会長は特別顧問に
半沢氏の就任に伴い、三毛兼承頭取(64)はMUFGの会長に就く。MUFGの平野信行会長(69)は会長職を退き、三菱UFJ銀行の特別顧問となるなど、世代交代を早め、経営体制の若返りを図る方針だ。
長引く低金利の中、商業銀行は難しい舵取りを強いられている。三菱UFJ銀行は、デジタルシフトや経費率の削減に取り組むことで、収益力の改善を図る方針。海外事業については、成長領域であるアジア市場に今後も注力していくという。
(斎藤信世・編集部)