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経済・企業

米国国立研究機関研究員 峰宗太郎博士インタビュー 新型コロナは来年には収束 日本は「ワクチン敗戦」から学べ

ワクチン接種が優先という (Bloomberg)
ワクチン接種が優先という (Bloomberg)

インタビュー 峰宗太郎・米国国立研究機関研究員 日本は「ワクチン敗戦」から学べ

新型コロナは来年には収束 日本は「ワクチン敗戦」から学べ

 新型コロナウイルスのワクチンはどこまで有効なのか。ウイルス免疫学が専門で米国国立研究機関で研究員を務める峰宗太郎医師に聞いた。

(聞き手=稲留正英/和田肇/中園敦二・編集部)

── 米英をはじめ、ワクチンの接種が進んでいる。

■先進国でワクチンの接種率が上がれば、医療崩壊もなくなるので、マインドセット(思考態度)が変わる。ある意味「コロナは過去のモノ」となるが、全世界ではまだまだ混乱が続くだろう。全世界でワクチンを7〜8割の人が接種すれば流行は完全に収まる可能性はある。

 苦しんでいるのはインド、南米、アフリカ、それに加えいままで流行を抑えてきた中国、台湾、オーストラリアなどだ。ワクチン戦略が遅れた国がここからビハインドになる。(下期世界経済総予測 特集はこちら)

── 日本はどうか。

■日本は7割ぐらい接種すれば、他の国より感染は落ち着くだろう。メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンという性能のいいワクチンを使い、そもそもワクチン接種開始前から流行が抑えられていたから。マスクが外せるのは年内だろう。

 また、mRNAワクチンの強いところは設計のし直しがかなり容易にできる点。変な変異ウイルスが出てきたときも、改良型で手当てすることは技術的に不可能ではない。変異ウイルスが出てきてもイタチごっこではなく、たたき潰せる体制は作れると思うのであまり心配はしていない。

── 日本のワクチン接種と経済再開の関係をどう見るか。

■バランスだ。人間は感染を予防するためだけに生きているわけではないし、「経済を回したい」という意向は当然出てくる。死者・重症者はワクチン接種で明らかに抑えられる。流行自体が多少起きているとしても死者が出なければ、「普通のカゼ」という認識になる。「経済を回したい」のであれば、経済界が声を上げて「私たちの産業のためにも接種してください」という姿勢を打ち出せるかどうかだ。米国にはワクチン接種ツアーもあり、観光業界を挙げてワクチン接種を推進している。

── インバウンド(訪日外国人客)再開の見通しは。

■まずは有効なワクチンをある程度接種していて、かつ流行が収まっている国からしか受け入れられない。米国、イスラエル、欧州の一部となるだろうが、すぐに期待できる状態にはならないだろう。

ワクチンの効果は1年以上

── ワクチンの効果期間は。

■1年以上はあるだろう。未来は読めないが、1年ごとに打つ可能性はないかもしれない。収束すれば二度と打たなくていい可能性もある。

── 東京五輪で感染拡大や新たな変異ウイルスの懸念もある。

■国内で人流が増えると流行がぶり返すだろう。流行が起これば、どの国でも変異ウイルスは出てくる。しっかり予防策をとって流行を抑えることが大事だ。

── コロナ感染はいつまで続くのか。

■ウイルス感染症のパンデミック(大流行)で4〜5年以上にわたって流行したものはない。来年ぐらいにはなんとか収束しているだろう。ワクチンもあり、5年以上長引くことはないだろうとみている。

── 国内製薬会社でコロナワクチンの開発に取り組んでいるところもある。

■今回のパンデミックで日本のワクチン産業は「負けた」。重要なのはワクチン産業が次回のパンデミック対策として研究技術・開発技術を整えておくことだ。

 政府も喉元過ぎれば忘れるだろう。ファイティングポーズで予算を付けているだけで、国際競争力を保って抜本的な開発をしようという姿勢はどうも見えない。製薬は国防産業だ。なぜ、製薬が弱いのか、国のあり方としての投資から考える時期に入っているが、日本にそのビジョンがない。


 ■人物略歴

本人提供
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みね・そうたろう

 1981年京都生まれで神奈川県育ち。京都大学薬学部と名古屋大学医学部医学科を卒業。東京大学大学院医学系研究科修了。国立国際医療研究センター病院、国立感染症研究所などを経て、2018年から米国国立研究機関の博士研究員として、米メリーランド州在住。病理専門医、薬剤師、博士(医学)。専門は病理学・ウイルス学・免疫学。ワクチンや医療リテラシーなどの情報を発信している。

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