経済・企業

充電器設置から運用までお任せの日本企業が登場

ユアスタンドの充電器は、導入から課金まで全てお任せ (同社提供)
ユアスタンドの充電器は、導入から課金まで全てお任せ (同社提供)

マンション用充電器 導入は専門業者に「お任せ」 工事2〜3日、費用50万円=稲留正英

 <充電インフラ最前線>

 EVに乗りたいのに、自宅のマンションに充電施設がない──。こうした住民の悩みに対し、充電器の導入から料金徴収まで一貫したサービスを提供する会社が登場している。(EV&電池 特集はこちら)

 2018年3月に創業したユアスタンド(横浜市)はその一社だ。これまでに、「首都圏を中心にマンションなど150棟で導入実績があり、市場シェアは8割」(同社営業担当のデニス・チア氏)という。

 導入の手順は以下の通りだ。マンションの充電施設希望者から連絡があると、ユアスタンドは現地を視察し、設置プランや費用の見積もりを出す。その後、同社はマンションの管理会社を通じて、管理組合の理事会に充電器の導入を提案する。理事会で承認されれば、設置工事に入る。駐車場の構造にもよるが、通常、工事は2〜3日で完了する。平置き、機械式の両方の駐車スペースに対応している。

 導入費用は、充電器1台で150万円くらいだが、国から100万円の補助金が出るため、実質的には50万円程度の負担で済む。補助金の申請もユアスタンドが代行する。2台目以降は1個3500円の充電器を増設するだけで済む。

 EVの利用者は、スマートフォンにユアスタンドのアプリをダウンロードし、充電器を予約する。指定の時間にEVに充電プラグを差し込めば、充電が始まる。充電が完了すると、スマホに通知が来る。利用者はクレジットカードで料金を決済、利用料金はユアスタンドの手数料を差し引いたのち、管理会社に振り込まれる仕組みだ。

資産価値の向上にも

 今年5月、東京都渋谷区のあるマンションが、10台の地下駐車スペースにユアスタンドの充電器5台を導入した。管理組合の理事長は、「工事は2日間で導入費用は数十万円。EVはまだ1台だが、住人が乗るドイツ車は今後、電動化が急速に進む見通し。築40年で、資産価値を上げるためにも導入を決めた」と話す。

 全国の道の駅、商業施設、自治体などの急速充電施設向けに、利用者の認証・課金システムを提供するエネゲート(大阪市)は今年4月から、マンション向けの充電器ビジネスに参入する予定だ。同社の認証・課金システム「エコQ電」は、スマホでアプリをダウンロードすると全国2633の急速充電器が使える。これを、マンション向けに転用する。

 エコQ電の特徴は、会員登録料、月会費が無料なことだ。自動車メーカーが提供する充電カードは、月額3000〜5000円程度掛かる場合が多い。年に数回しか遠出をしないドライバーは、普段は自宅で充電し、遠出の際はエコQ電の認証システムを導入した急速充電器を使えば、EVのランニングコストを抑えることが可能だ。エネゲートでは、マンションへの充電器の導入コストはユアスタンドと同等程度を予定している。

(稲留正英・編集部)

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