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リベラル左翼のやり方では日韓関係は好転しない=小林よしのり(漫画家)

撮影 北山夏帆
撮影 北山夏帆

 日本政府が韓国を「ホワイト国」から外し、韓国政府がGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の破棄を決定したことで、日韓関係の話題一色である。

 そもそもこの問題は1965年の日韓基本条約に伴う請求権協定で「完全かつ最終的に解決」していた元徴用工に対する補償問題を、韓国が「まだ解決してない」とひっくり返したことが発端である。だから日本は国際法・国際条約を守らないのはダメという原理原則を貫くだけでいい。

 リベラル左翼の論客が「話し合いで解決を」などと言うが、話し合いの結果として結ばれるのが条約で、その条約を勝手に崩壊させているのが韓国なのだから、いくら話し合いをしたところで国と国の信頼が成り立たない。韓国は「俺たちと話し合いをしても無駄だ。約束は破るからな」と言っているようなもので、これではお手上げだ。

 韓国に誤りはないとする「韓国無謬(むびゅう)論者」のリベラル左翼は日本人に「感情的になってはいけない」と警告する。実際には、日本人は「行きたいが、安全面が不安」という理由で韓国旅行を控える人がいるが、それほどの減少ではない。韓国人は「日本に抗議する」「周囲の目が気になって行きづらい」という反日感情で日本への旅行は8割減になっている。どちらが感情的か?

 韓国無謬論者は、情緒的に仲良くなろうと主張するが、日本人にそれを言っても意味がない。韓国が条約を守れば、仲良くなれるのだ。「反日」で国をまとめるという感情的な公共性も捨ててくれれば、もっと仲良くなれるだろう。だがそれには、まず韓国の政権が変わらなければどうにもならない。

 わしは、韓国のガールズグループTWICEや、KARAの元メンバーで女優の知英(ジヨン)の大ファンだから、文在寅(ムンジェイン)政権が早く終わればいいと願っている。

(小林よしのり・漫画家)


 本欄は、池谷裕二(脳研究者)、片山杜秀(評論家)、小林よしのり(漫画家)、古賀茂明(元経済産業省官僚)の4氏が交代で執筆します。

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