新型コロナ特効薬で大注目の「シリコンバレーベンチャー企業」=二村晶子(インフィニットバイオCEO)
遺伝子検査技術や人工知能(AI)を使った創薬などをテーマにした学会が3月上旬、サンフランシスコで開かれた。新型コロナウイルスの影響で、アジアからの参加者は激減したものの、参加者に悲愴(ひそう)感はなかった。
少数ながらも学会に活気があったのは、学会がテーマとして取り扱っている技術こそ、新型コロナウイルスの危機を打破する可能性を秘めた重要な技術であり、学会の参加者たちにウイルスと戦う当事者であるという使命感があったからだろう。
中でも、シリコンバレーは新型コロナウイルス退治に挑む多くの会社があり、注目度は日増しに高まっている。新型コロナの治療薬として期待される抗ウイルス薬・レムデシビルは、シリコンバレーにあるギリアド・サイエンシズが開発した。ほかにも、サンフランシスコにあるVir Biotechnology社は昨年10月の上場以降、株価が下落していたが、ワクチン開発計画に加わり株価が倍以上に。スタンフォード大学発のベンチャー、マンモス・バイオサイエンスは、ゲノム編集技術を診断薬に応用し、新型コロナウイルスを検出するとして話題を集めている。
■二村晶子(インフィニットバイオCEO)
(本誌〈シリコンバレー 新型肺炎の薬や診断薬に期待=二村晶子〉)