コロナ禍の最中「日本医師会」会長人事で「内紛」勃発の噂
6月に役員改選を迎える日本医師会では、会長の横倉義武氏(75)=写真=が5選に向け立候補する意思を示し、当初は後を託すと見られていた副会長の中川俊男氏(68)に「NO」を突きつけた形だ。一方の中川氏も禅譲がなければ会長選に出る構えだ。
副会長5期目の中川氏は政策通で知られ、鋭い弁舌で強気に迫るため「良くも悪くも日医らしい」(厚生労働省関係者)との評だ。
禅譲の流れが変わったのは、医療機関の消費税問題が焦点となった2019年度税制改正という。中川氏が交渉担当だったが、自民党と交渉が決裂。横倉氏が自ら乗り出すこととなり、「大事な交渉は任せられないと判断された」(日医関係者)。加えて20年度診療報酬改定では、横倉氏勇退の観測を聞きつけた財務省がマイナス改定を強く主張。横倉氏が危機感を強めたとの見方もある。
今後は新型コロナウイルスの感染拡大が影響しそうだ。都道府県医師会幹部は「国難の時に内輪もめをしていれば、批判が高まる」と懸念を示す。さらに、独自の施策と発信力で存在感を高めている東京都医師会長の尾㟢治夫氏(68)の名前も浮上。日医会長選も先行きの不透明感が強まっている。
(本誌初出 5選目指す日医・横倉氏 中川氏へ禅譲は「NO」? 2020/5/12)