助成金狙い? コロナの「にわか研究者が激増中」の噂は本当か
新型コロナウイルスの影響で、多くの大学や研究機関がテレワーク(在宅勤務)へと切り替わった。自宅での研究を余儀なくされた研究者だが、中には新型コロナの研究を始めた者もいる。欧米諸国がロックダウン(都市封鎖)され、海外の著名な研究所が閉鎖された状況を見て、研究をリードする好機と捉えたようだ。
さらには、コロナ関連の研究を資金取得のまたとない機会と見た研究者もいた。研究機関や企業への研究費を助成する日本医療研究開発機構(AMED)は、新型コロナのワクチン、治療薬、診断などの研究開発に大規模な助成を行っている。ワクチン開発に1案件当たり最大20億円を筆頭に、医療機器・システムなどの研究支援に2億3000万円、治療薬開発に2億円──など。高額案件はいわゆる企業主導型で、ワクチンや治療薬を開発している企業の臨床試験などをサポートするもので、1年限りの資金となる。
多くの研究者が助成金に目をつけ応募した結果、ワクチンや治療薬の開発との関係が曖昧なものや1年で完了するか分からない研究なども採用されているようだ。第2波に備え、限られた予算が有効に使われているか、検証する必要がありそうだ。
(本誌初出 増える「コロナ研究者」 ワクチン助成金狙いも 20200804)