「1週間で人口の半数が手続き終了」日本を尻目に台湾が給付を超速で実現したワケ
台湾政府が全国民に配布するクーポン券、「振興三倍券」の購入予約受け付けが7月1日から始まり、1週間余りで人口の半数近い1002万人が手続きを終えた。3000台湾元(約1万円)の買い物が可能なクーポン券を1000台湾元で購入でき、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済へのテコ入れ策として期待されている。
振興三倍券は、現金で購入する紙幣タイプと、クレジットカードやキャッシュレス決済サービスで使えるデジタルタイプがある。紙幣タイプの場合、コンビニの情報端末器に必要な情報を入力すれば購入できる。購入の際は身元確認が必要だが、ICチップ付きの健康保険カードか健康保険局専用のアプリを通じてセキュリティーコードを取得するだけなので、日本の定額給付金に比べて桁違いに速い。デジタルタイプは、クレジットカード会社などのウェブサイトを通じて購入手続きを行う。
台湾経済省によると、購入予約した国民の86%が紙幣タイプを選んだ。クレジットカード会社が、キャッシュバックやポイント加算などでデジタルタイプの利用を呼びかけたが、台湾名物「夜市」の多くが電子マネーを受け入れないなど、キャッシュレス化の遅れが響いたようだ。
(井上雄介・台湾在住ライター)
(本誌初出 台湾 1万円分買い物券に予約殺到=井上雄介 20200804)