軍事衝突が勃発! 中国製品を燃やすなどインドで嫌中デモが過激化
国境問題を背景に、インド人の間で反中感情が高まっている。きっかけは、北部ラダック地方にある中国との係争地域で6月16日に起きた両軍の衝突で、インド軍の兵士20人が犠牲となった。
衝突以降、インド各地で中国製品の不買を呼び掛けるデモが頻発している。地元メディアによると、同月20日には、中国スマートフォン大手オッポがインド北部ノイダに持つ工場の前で抗議活動が発生。工場は一時稼働停止を強いられたもようだ。
一方、インド政府は同月23日、政府調達用の電子商取引(EC)サイトで商品の原産国情報の掲示を義務付けると発表。専門家は中国製品を締め出すための動きと見る。米系アマゾン・インディアなども表示義務化の方向で、官民で協議が進んでいる。
香港の調査会社カウンターポイント・リサーチによると、インドでは昨年、中国系メーカーの電子製品の販売額が約1兆4000億ルピー(約2兆円)に達した。特にスマホ市場は、中国系のシェアが8割に上るため、締め出しを行えば「消費者が選択肢を失う」と指摘する声も上がっている。また、電子製品は部品の供給も中国に依存していることから、地場メーカーの生産に打撃を及ぼす恐れもある。
(天野友紀子・NNAインド版記者)
(本誌初出 インド 高まる反中、不買運動=天野友紀子 20200721)