出前系サービス急増の裏側で韓国が悩む「ゴミ問題」
韓国統計庁のデータによると、出前アプリに登録されている店舗数は2018年8月は2万7570件だったのが、今年8月には14万9080件と5倍超に増加し、1日の取引額も4969億ウォン(約470億円)から3倍超に急増している。
また、出前用の使い捨て容器も1日平均1000万個が排出されている。
容器は料理で汚れるため、ほとんどリサイクルできない。
市民団体の調査では、7割以上の市民が容器を捨てる際、「罪悪感を感じる」と答えた。
そうした中、20〜30代を中心に広がっているのが「ゼロ・ウェイスト」の活動だ。
鍋を持参して料理を持ち帰ったり、容器を再利用できる量り売りの洗剤を購入したりすることで、ゴミを最大限減らす行動を促している。
大手スーパーのEマートは洗濯用洗剤と柔軟剤の量り売りを始めた。
客は持参した容器に詰めると、容器付きの商品に比べ4割ほど安く購入できる。
またある商店街では、キムチや弁当を購入する際に容器を持参すると、地域通貨として使えるポイントを付与している。
政府もゴミ対策を強化している。今年12月からは透明ペットボトルのリサイクル義務化制度を全国で実施する方針だ。
(趙章恩・ソウル在住ジャーナリスト)
(本誌初出 韓国 出前急増で広がるゴミ対策=趙章恩 20201215)