ニューヨークで導入される「ロボット警察犬」に、オカシオコルテス議員が反発した理由
ニューヨーク市警(NYPD)はロボット警察犬の導入に向けて運用テストを始めている。
銃社会のアメリカでは、緊急通報に対して警察官を派遣することのリスクが高い。
また、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、感染の恐れがないこともメリットだ。
ロボット警察犬は、ロボットの研究開発を手がける米ボストンダイナミクスが開発した。
重さが約30キロ、時速5~6キロで四足歩行する。高性能なカメラも搭載。
捜査員が入りづらい場所に侵入して犯罪現場の状況をリアルタイムで伝える任務が想定されている。
具体的には重武装した侵入盗などが犯行現場に籠城(ろうじょう)した際に、ひそかに潜入させて人質の安否や容疑者の武装状況などを確認するといったケースでの活用が期待される。
しかし、批判の声もある。
ロボット警察犬の動作確認を行う運用試験は2月23日、ニューヨーク市のブロンクス地区で行われたが、こちらの地域が貧困地区だったことに地元選出のアレクサンドリア・オカシオコルテス議員(連邦下院、民主)が反発。
「高額なハイテク機器ではなく、まず貧困地区の教育や保健サービスを再建することに予算を使って犯罪を抑止すべきだ」などとして批判している。
(冷泉彰彦・在米作家)
(本誌初出 ニューヨーク ロボット警察犬導入に賛否=冷泉彰彦 20210323)